
ありがとうオロチ。
いつも送ってくれて

礼には及ばない

ふふっ、オロチってば
いつもそう言ってるね?
その後、いつものようにアリサを家まで送って
アリサの両手をそっと握っていたオロチ。

…1分でも、1秒でも長く
お前の傍に居たくて
俺が勝手にしているだけだ

…えっ…?

…あっ…!
すると、オロチは不意に口にした言葉に
自分自身も驚いていた。

オロチ…? 今のは…

な、何でもない! 気にするな///
握っていたアリサの手を離し、
頬を染めながら視線を逸らす。

…嬉しいよオロチ

何?
しかし、オロチとは裏腹にアリサは
嬉しそうな表情をしていた。

だって、私もオロチと
同じ気持ちだから…///

同じ…だと…?

そうじゃなかったら
お弁当作ったりしないよ。
オロチは大切な友達だから
そう言いながら今度はアリサの方から
オロチの両手を握った。

《…確かキュウビは
初デートは映画館より
遊園地がいいと言ってたな。
そしてキュウビも現在
アリサを狙っている。
…という事は…》
_____________________

良かったら今度一緒に
遊園地に行かないかい?

本当? 行ってみたいな。
私、遊園地にはまだ
1度も行った事がないの。
キュウビ、案内してくれる?

もちろんさ。君の為なら
喜んでエスコートするよ

ありがとうキュウビ。
楽しみにしているね?
_____________________

《このままずっとアリサを
映画デートに誘わなかったら、
キュウビに先を越されてしまう。
…それだけは何とかせねば! 》
キュウビが遊園地デートに誘い、それを
受け入れるアリサの光景を思い浮かべ、
オロチは焦っていた。

オロチ…?

…? 何だ?

何だ? じゃないよ。
またボーッとしてる。
今日のオロチ、変だよ?

む…すまん…

エンマ様との約束を
守りたいのはわかるけど、
時には休む事も大切だよ?

…

お弁当、傷む前に食べてね?

あぁ、わかっている

その…良かったら
味の感想聞かせて欲しいな?

わかった
アリサはオロチの手をゆっくり離し…。

じゃあ、またねオロチ

あぁ
軽く手を振り、アリサはコマ兄弟と
同居している家のドアに手をかけ…。

アリサッ!!
すると、オロチはアリサがドアを開ける手前で
一瞬で近付き、アリサの腕を掴む。

なっ…ちょっ…?!
それに驚いたアリサは、慌ててオロチを
家から離れた場所へ連れていった。

バカッ!! コマさん達が
起きたらどうするの!?

す、すまん…
アリサがオロチを素早く連れてったおかげで、
眠っているコマ兄弟に気付かれなかった。

…やっぱり私に何か
言いたいんでしょ?

…

私、以前は母だった人に
気になる事があったら
追求してたんだけど、
うるさいって言われて
ビンタされた事あるから。
それ以来、相手に何か
言いたい事があったとしても
深く追求する事はやめたの

…そんな事もあったのか

…軽いトラウマだからね

そうだろうな。だが、
俺はそんな事しない

そう…? なら、聞いてもいい?

あぁ

わかったよ。
《そうだよね。あばれ大蛇って
呼ばれてた頃のオロチなら
わからないけど、少なくとも
今のオロチはそんな事しない》
アリサはゆっくり深呼吸して…。

…ねぇオロチ? 言いたい事が
あるなら、はっきり言って?
気になるから…
意を決してオロチの目を真っ直ぐ見つめ、
アリサは問い掛けた。

わかった。お前がそこまで
勇気を振り絞ったんだ。
…次は俺の番だ

うん、お願い

《意中の相手をデートに誘う。
アリサを好きになった時点で
これも定めだったのだな》
オロチはアリサの目を見つめ返し…。

…アリサ。良ければ俺と
一緒に映画へ行かないか?

…へっ?
勇気を振り絞り、オロチは遂に
アリサを映画デートに誘ったのだった。

いきなりどうしたの?
ってか、オロチが私に
言いたかったのはそれだけ?

それだけって…

もっと深刻な悩みかと思ったら、
…一緒に映画行こうって…
アリサにとっては生まれて初めての出来事で、
若干戸惑っていた。

なっ…嫌なら嫌と、はっきり
そう言えばいいだろう!

…? 誰がそんな事言ったの?

どういう意味だ?

いや、映画に誘うだけで
そんなに勇気が必要なのか
疑問に思っただけだよ?

…アリサ…相変わらずお前は
男を知らないんだな…

…?
《前にも言われたけど、
それは一体どういう意味? 》

お前にとっては些細な事でも、
俺にとっては…

オロチ…?

…いや、何でもない。
それで、行ってくれるのか?

いいよ。行こう

…! 本当か!?

もちろんだよオロチ。
私、今まで友達と一緒に
映画に行った事ないから
オロチと一緒に行きたい!
アリサはオロチからの誘いを笑顔で受け入れた。

言ってくれて良かった。
さっきも言ったように、何で
映画に誘うだけで勇気が
必要なのかわからないけど…

…断られるかと思ったからな

何で? 断るわけないじゃん。
せっかくオロチが映画に
誘ってくれたんだから

そ、そうか…。
《天然な一面もあるのだな。
…そんなアリサも俺は…》

おかげで楽しみが出来たよ

それは良かった。だが、
お前に謝らなければ
ならない事がある

…? なあに?

…不甲斐ない話だが、
肝心の作品はまだ
何を選ぶべきなのか
決めていないんだ

そうなの?

お前の好みを知らないからな

確か、アクション系とか
コメディ系とか、他にも
色々あるんだよね

あぁ、行くからには
お前の好きなジャンルを
選びたいと思ってな

…ごめんねオロチ。
それ、実は私にもよく
わかってないの…。
さっきも言ったように、
私は生まれてから1度も
映画に行った事がないから…

そ、そうか…

オロチは何が好きなの?
せっかくだから私、
オロチの好みも知りたいな?

す、すまん…実は俺も
よくわかっていない…

なら、一緒に選ぼうよ

…! いいのか?!

うん、それでお互いに
気になったジャンルの
作品を選んで見に行くの。
楽しそうじゃない?

アリサがそれでいいなら…

ふふっ、決まりだね?
そう言ってアリサはオロチの手を握る。

…///

本当に楽しみだよ。
まさか私が友達と一緒に
映画に行ける日が来るなんて

ああ、俺も楽しみだ…///
《…アリサはデートだとは
思っていないようだな…。
だが、今はそれでも構わない。
アリサと同じ時間を共有する。
それが何よりも幸せな事だからな》
アリサの手を握り返し、念願だった
映画デートも決まってオロチの心は
幸福に満たされたのだった。
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