あなたside
ここは高専のグラウンド。
今日も憂太と真希は体術を練習していた。
私たちはその様子を、近くの石段に座って見ている。
両者、練習用の武器を構え、動き出した。
カン…ガッ、パシッ…!
憂太が攻撃をし、真希がそれを受ける。
木と木のぶつかり合うことが鳴り響いた。
バシッ…!
(真希の攻撃を…受け止めたっ!?)
(凄…)
カン…ガッ、パシッ…
…………
私たちの後ろから悟の声が聞こえた。
ガンッ……
隙を見て真希が憂太に攻撃をいれる。
憂太は頬を押さえながら答えた。
(痛そ……)
二人はまた鍛錬を始める。
カン…ガッ、パシッ…
真希が憂太の攻撃を躱し、跳んだ。
真希の足が地につく瞬間、憂太は竹刀を低めに振った____
しかし、真希は着地の瞬間に体勢を低くしたため、
竹刀は真希の頭上を通り、当たることはなかった。
そのまま真希は自身の足を憂太の足の付け根に絡ませ、襟を引っ張り転ばせる。
ガンッ!
真希は武器の先端で憂太の頭を叩いた。
パンダは憂太と肩を組み、何やらヒソヒソと話している。
(…?聞こえないなぁ…何話してんだろ?)
スッ…
パンダは私の方を振り向いた。
私もコクリと頷く。
手で大きな丸を作り二人で真希の方を向いて言った。
(あれ、怒られた…?)
(あ、照れてるのかっ!真希ったらかわいー!)
(憂太と棘が話してるー!珍し〜)
すると、後ろから手を叩く音が聞こえた。
私も走って悟の元へ向かった。
ボコッ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。