やっと6時間目もおわり、放課後になる
学校がはじまってからそんなに経っていないはずなのに疲れだけがたまっていく
隣が毎度の如く騒がしくなってきたのでそそくさと廊下へ出る
いきなり優愛ちゃんに飛びつかれる
最初はおとなしいイメージだったが、今ではすごく元気のいい子というイメージしかない
急いで教室へ向かう
まだ騒がしい教室で自分の引き出しの中を探す
優愛ちゃんを待たせないようにさっさと下駄箱へ向かおうとした時
キヨがなにか言おうとした時
キヨの周りを囲っていた女子達が割り込んでくる
もともと急いでいたのもあって、キヨの言葉を聞かずに教室を出る
下駄箱
優愛ちゃんを呼ぶも返事が聞こえない
下駄箱を一周みてまわったが、優愛ちゃんがいる気配はない
不思議に思いながらも靴を取りに行くと
そこには優愛ちゃんから「用事ができたから先に帰ってて」というメッセージが書かれていた
キヨSide
6時間目の終わり、いつも通り女子がまとわりついてくる
よってくるのはいつも同じ奴で、見るだけでストレスが溜まってくる
周りの女子の声を聞き流しながらそんなことを考えていると
どうやら自分の机で探しものをしているようだった
探しものを見つけたらしいあなたが帰ろうとするところに急いで声をかける
「一緒に帰ろう」そういい終わる前に言葉を被せられる
割って入られて驚いているうちに、あなたは申し訳無さそうに軽く頭を下げて帰ろうとする
必死に呼び止めたが、声が届かなかったのかあなたはそのまま行ってしまった
周りの女子がなにか言っているが正直耳に入ってこなかった
???Side
あなたが自分の机で探しものをしているところを遠目から見る
キヨがあなたがいることに気がついたようで話しかけていた
正直言ってあの女のどこがいいのか全く理解できない
私が話しかけた時はこっちを見向きもしなかったのに、あなたにはキヨ本人から話しかけにいっている
この時ばかりはいつも鬱陶しいだけの女達に少しだけ感謝した
あの女がいない今がチャンスだと思いキヨに話しかけに行く
軽く肩を叩くと彼はやっとこちらを向いてくれた
彼はいつも通り私に冷たい
そう言ってキヨは帰っていってしまった
流石にキヨさんと一緒に帰ることはできなかったが、今回は一言喋ってくれただけでも儲けもんだ
キヨを振り向かせるためには努力も惜しまない
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。