昼休み
前はキヨに邪魔をされて食べることができなかったのだ
できるだけ音を立てないようにそっと席から離れる
そんなことを呑気に考えていると
いきなりガッチさんに肩を掴んで寄せられる
私が混乱している横で、ガッチさんはニコニコしている
半ば強制的に連れて行かれそうになる
突然うっしーに呼び止められる
光のない目で笑っているガッチさんに、うっしーは鋭い目を向ける
いろいろな圧にやられて、開いた口が塞がらなかった
うっしーとガッチさんの2人は依然、睨み合っている
空気が重すぎて根を上げていると
キヨとレトさんが声をかけてくれた
重すぎる空気を破ってくれた2人に感謝する
感謝したことを秒速で後悔した瞬間だった
なんか空気がさらに重くなった気がする、正直今すぐ逃げ出したかった
キヨに手を引かれそうになる
少し大きめの声でそう言った
今思い浮かぶ1番マシな方法をいつの間にか私は口走っていた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。