第11話

episode 10
139
2022/04/28 12:03
赤side
俺が部屋に着いてからすぐに駆けつけてきた4人。

それぞれが軽い自己紹介をした後、俺は回収された。
東 橙流
なに勝手に行っとん!!
桃山 怜深
アイツに負担がかかったらどーすんだ!
青柳 心鈴
辛いのはわかるけど!でも……
流斗くんのためだと思ってよ…!

流斗くんのためだと思うのなら。


いっそ全てを教えてしまった方がマシだと思えた。
紫山 七森
……莉狗くん。
流斗くんの為になることは…何かな

少し考えてから、もし俺だった場合を想定して言った。
紅音 莉狗
……寄り添ってあげること、?

そう、呟いた俺を見て、4人はほっとするように息をついた。
紫山 七森
…もし、そうわかってくれてるなら。
流斗くんに寄り添うって、なんだろう

寄り添ってあげるというのは。


人の心と自分の心をぴったりとくっつけてあげることだと。


俺は、そう思っている。

ならば、俺ができることは?
紅音 莉狗
……一緒に、いてあげること

ぴったりの表現だと思った。



でも怜深くんは、顔を曇らせた。
桃山 怜深
バカ。1人にさせてやることだろ
紅音 莉狗
……なんで?
桃山 怜深
記憶がねーのに知らない奴らといて
何が楽しいっていうんだよ

それに合わせるように、ほかの3人も口を開き始めた。
青柳 心鈴
全く知らない人が周りにいてさ、
怖いって思わない?
紅音 莉狗
自分は何も知らないのに
何も教えて貰えなくて
周りの誰かがずっと自分の知らない事と
戦っていることが怖い。
紅音 莉狗
…1人は、怖い
東 橙流
…でも、流斗だってまだ心が不安定
なんじゃ……
紅音 莉狗
流斗くんがこうなったのは俺らの責任。
1人だった。1人だったからこうなった。
なら、元に戻してあげられるのは……
紅音 莉狗
……俺らしかいない、違うの?


瞬間。


なーくんはパッと笑顔になって言う。
紫山 七森
莉狗くんならそう言ってくれると
思ってたよ。ありがとう。
桃山 怜深
え、ちょ…なーくん?
紫山 七森
流斗くんのとこ行くぞー!!!
青柳 心鈴
なーくん!?
東 橙流
ちょ、待ってや!?

すごい力で腕を引っ張られたから、引きちぎれそうだったけど。


なんとか、なーくんに追いついて流斗くんの部屋に辿り着いた。








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