第12話

すれ違い
69
2019/02/10 11:01 更新
《八神side》
明らかに…僕らを避けている…。
やっぱり…吉田  ちこが11年前の事件の犯人だ。

名字が違うのは…両親が離婚したからなのか…?


……いや、違うな。佐藤の父親は、事故で亡くなった。
事故でなくなってしまったのは僕の親父のせいだと…佐藤 ちこの母が訴えたの記憶に残っている。

その時…あいつの名字は、まだ佐藤だった…。



母も病気などで亡くなって他の人の元で住むようになったから… 名字が変わったのか?


……そうかもしれない。

考え込む僕の前の机に葵が座り、ため息をついた。
葵ちゃん
…今日も話してくれなかった。
……そうか。
2人は悲しそうにするが…僕はどーでもいい。
八神 煌
いやいや、話さなくていいだろう?
八神 煌
あいつは、人殺しだよ?
どんな理由があろうとも…僕の親父を殺した犯人であることは変わらないー。
葵ちゃん
……お父さんと、仲がよかったの?
八神 煌
…え?
葵ちゃん
いや、そこまで睨むのだから…大好きなお父さんだったんだn…
…違う!!
強く机を叩いたからみんなこっちを見る。

違う…大好きなんかじゃない!!
!?……ど、どうした?
八神 煌
親父とのいい思い出はない…!
葵ちゃん
……え?
僕は…親父が大嫌いだった。

好きなんて…死んでもなれない。


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《10年前》
八神 煌
やめて!やめて!
社長 (八神の父)
うるせぇ…ガキが!!
毎日…殴られ…蹴られた。家は毎日のように荒れた。
八神 煌
お父さ……
社長 (八神の父)
汚い手で触るな!クズが!
お父さんは、毎日暴力をふるった。

そして、悪い手を使って色んな人から金を奪っていた。
多分…吉田 ちこのお父さんもその中の一人だったんだろう。
母は、なんも言わなかった。親父の言いなりだ。まるで…犬だ。
八神 煌
…ギシッ…ギシッ……
絶対に…家出してやる…。

この家は……地獄だ。


でも、たまに優しくしてくれる時もあった。機嫌がいい時だ。
社長 (八神の父)
沢山お金儲かったぞ!
社長 (八神の父)
ほら!煌!欲しいものなんでも買ってやる!
八神 煌
え、いいの?
社長 (八神の父)
ああ!何が欲しい?
たった少しだけだ…。でも、嬉しかった。

その時の優しい親父は、好きだった。


でも、次の日になったら殴られる。タバコをつけられる。たくさんあざを作られる。

八神 煌
くっ……。
少しでも、いい親父だって思った僕が馬鹿だった。

誰にも信じられない。大嫌いだ…!!


半年後…1人の女の人が家にやってきて…お父さんに対して怒鳴っていた。
お母さん
あなたのせいで!!あなたのせいで!!旦那は!!事故で亡くなったのよ!!
その人の背中には…死んだ目をした女の子が立っていた。

同じ歳の女の子だろうー。
社長 (八神の父)
知らねぇが?何を言ってる?
お母さん
お金も奪って!!あんたなんて…地獄に落ちればいいのよ!!
社長 (八神の父)
はぁ…警察を呼べ
警察がやってきて…取り押されてもその人は叫んでいた。
お母さん
あなたをずっと恨むわ!!あんたが死ねば良かったのよ!!!
なんで…僕のお父さんに対して…『死ね。』って言うの?
僕には分からない。でも、ちょっとだけ腹たった。


《僕の親父を悪く言うなー。》



またその半年後…親父は、子供に殺されて亡くなった。

驚いた。僕と同じ歳の子が親父を殺したなんて…。


確かに酷い親父だけど…世界中でたった1人の僕の親父なんだ。

いつか僕が親父を殺していたのかもしれない。
でも……嫌だった。

八神 煌
お父さん?…お父さんっ!??
なんで……なんで……知らない人にうちの親父が殺されるんだ?知らない人が手を出すな!

許さない…許さない!!

絶対に見つけ出して…復讐する。



その後…親父が殺されたにも関わらず…親父がやった酷いことについて…テレビ局などがやって来て…


僕の人生は、めちゃくちゃになった。


あいつが…親父を殺さないで済んだらこんな事にはならなかったのに…。


佐藤 ちこ。お前のせいだー。


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《現在》
だから、吉田が1人なって…だんだん顔色も悪くなっていったのを見て…

正直僕は、清々した。


ざまぁみろ。自分のせいだよ。って…。

学校全体にバラそうとも思った。もっと苦しませてやるって…あの時の僕みたいに…。



でも、心のどこかが痛かった。




吉田は、時が経つほどに…ちょっとずつ痩せて…

顔色も良くなくて…いつ死んでもおかしくなさそうな感じだった。


見るたびに…僕のせいかもしれない。と思い込むようになった。


ある日、2人は僕に言った。
葵ちゃん
私…もう見ていられない。助けようよ!
俺もだ…。でも、話そうとしても避けるんだよ…向こうが…。
どうする?……助ける?もう過去のことは水に流す?


……いや……。
八神 煌
ちゃんと話し合ったら…終わらせるよ。
ちゃんと話し合わないと…気が済まない。

なんも解決しない。



だから、僕は放課後…吉田の元へ行った。

全てを話してくれ。って…

もう告白しろよ。って……

もう隠さないで…話し合って終わろう?って思ってさ…。


でも、吉田は話してくれなかった。しかももっと離れようとする。

そうか。それがお前の《答え》か……?


その以上言ってもダメみたいだったから僕は諦めて…吉田から離れた。



そのことも全て…2人も話した。2人はなんも言わなかったし、何もしなかった。


いや、どうすればいいのか分からなかったんだ。僕も……2人も……。





そうして、文化祭がやって来た。


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