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少年が冷たい視線を送る先では
彼の父とその家臣達、さらには5大部族の当主達が
盃を交わし、舞子や琴の演奏を楽しんでいた
ただ、少年の目には
全くもって それが楽しそうには見えなかった
「ワハハハ!!」と笑い声が聞こえてきて
少年は思わず顔を顰める
もし彼が機嫌の悪い日だったなら
両耳を塞いでいたかもしれない
「自分の土地を守る」「財産を守る」「地位を狙う」
そんな思惑が、この宴を開いている間にも
混ざり合っているという事実が
少年の気分を一層悪くさせた
笑顔を貼り付け、裏では互いを蹴落としあう。
かつて王家に忠誠を誓っていたはずの5部族は
もはやその心を忘れ、そんな無礼極まりない行動を
平気で取る
誰に聞かれるわけでもなく消えたその言葉は
5部族を放ったまま、舐めた態度も容認する
少年の父に向けて発せられたのか
はたまた将来の自分がその地位に立つ事に対し
発せられたのか。
少年は、後に自分が国を揺るがす王となることを
まだ知らない












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!