第5話

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2024/07/20 09:02
《翌朝》
あなた
んん"…今何時…?
眠い体を無理やり起こし、頭上にあるスマホを確認する



どうやら今は5:30。起きる時間には少し早いけれど、
今日は初めて2人分のお弁当を作る日だ。起きる時間は
このくらい早めの方がいいだろう
あなた
お米炊いて、待ってる間におかず作って…
段取りを考えながらキッチンへ行くと、ふと1つの問題が浮上する
あなた
…あれ、あの6人の朝ごはんって私が作るべきなのか…?
あなた
瑠樹さんや睦月さんならともかく他の4人は私の事ガチで嫌ってそうだし…作ったところで食べるかどうか…
_
なにブツブツ言ってんの?
あなた
へ!?
声のした方を見ると、そこには金髪メガネの小学生



すごく訝しんでこっちを見ている
あなた
あー、えっと、ご飯作ろうと思って…
_
!!お前、ご飯作れんの!?
あなた
お前って……まぁ、一通りはできるけど…
作るって言った瞬間急に目の色を変えたこの子の勢いに気圧されつつ、何とか答える
_
っあ、あのさ!俺、桐也っていうの!!
きりやん
ねぇ、俺に料理教えてくんない?










きりやん
こう?
あなた
そうそう。それで次は…
何の因果か知らないけど、この男の子と一緒に親の弁当と朝ごはんを作ることになった



今までも料理をしていたのか、手際はすごくいい



ごめんね、顔も見ないうちからヤバいやつって決めつけちゃって…((



心の中で桐也くんに謝ってると、あっという間に2つのお弁当と全員分の朝ごはんが出来上がった
きりやん
完成ーー!!
あなた
すごいね桐也くん、料理上手じゃん
きりやん
!ほんとに!?俺、料理上手い??
あなた
うん、すっごい上手い…!桐也くんって
前からご飯作ったりしてたの?
きりやん
そうだよ、いつもご飯俺が作ってたからね
あなた
そうなんだ〜……え!?
あなた
あの、お兄さんとかは料理作らないの…?
小学生が毎日全員分のご飯を作るとは思えなかった故の純粋な疑問をぶつけると、すごい顔でこっちを見られる
きりやん
あいつらが?ある訳ないじゃん。ぶるーくはまだしもあの2人が料理とか絶対無理
あなた
あ、そうなのね…()
小学生の弟が絶対無理と言い張るなんてよっぽどだろう



これからは絶対に触れないようにしよう
あなた
じゃあ私部屋戻るから、皆で食べてね。
洗い物は置いといてくれたらやっとくから
きりやん
え?朝ご飯一緒に食べないの?
あなた
…私は、歓迎されてないみたいだから
あなた
ほら、嫌いな人とご飯食べるのって嫌でしょ?朝からそんな思い、させたくないし
あなた
ご飯は自分の部屋で食べるから大丈夫!
きりやん
…俺は別に嫌いじゃないけど
あなた
いいんだよ、無理しなくても
きりやん
っ無理なんかしてな…!
あなた
それに、桐也くんは良くても他の人が嫌かもしれないし。私は部屋で食べるから大丈夫だよ!だから、ね?
きりやん
1人なの、寂しくないの?
あなた
大丈夫だよ、慣れてるし
きりやん
……
矢継ぎ早に返答すると、桐也くんは黙ってしまった



ちょっと意地悪しちゃったかな…
あなた
じゃあ、私行くね!今日はありがとう
気まづい空間から逃げようとすると、服の裾を掴まれる
きりやん
あの、さ。俺、本当に嫌いじゃないから
きりやん
今日も一緒に料理できて楽しかったし。
だからさ、その…



きりやん
また俺と一緒にご飯作ってよ、お姉ちゃん
眉を八の字にし、上目遣いでこっちを見上げる



なんだコイツ可愛いな(((
あなた
…分かった。また今度ね
きりやん
!ありがと、お姉ちゃん!!
あなた
いえいえ〜。じゃあ私行くね
きりやん
うん、またね〜






きりやん
慣れてる、か…

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