足早にそそくさと歩いていると、レンタルビデオ屋になんとか到着できた。
自動ドアが開き、店内に歩を進める。
空調が効いていて、暑い夏には快適だ。
ジブリのDVDが置いてある棚に向かうと店員が作業をしていた。
返却されたDVDを整理してるのかな?
とりあえず、早く行って早く帰ろ。
そんなことを考えて店員の横を通ろうとした。
手のひらに、大きい火傷があった。
こんな大きな火傷がある人、あまり見かけない。
よくよく考えれば、身長は高いし、くせっ毛だし..........
______________もしかして。
私はほぼ確定したであろう人物の名前を呼んだ。
今日はバイトの日だった。
そんなに大きくない店舗だが、しなければいけないことはそれなりにあるのだ。
僕は映画が好きだから、DVDやCDなどの整理は楽しく感じる。
だが、やはり疲れるものは疲れる。
あんまりお客さんが居ないから、ぶつぶつ独り言を言いながら仕事する時もある。
あんまり大きい声にならないよう、気をつけなくちゃ。
振り返るとそこには_____あなたの下の名前ちゃんがいた。
あなたの下の名前ちゃんは運動神経が抜群だが、流石に男に囲まれたら力で負けてしまう.........と思う。
だから、あまり夜に、しかも深夜に出歩いてほしくない。
しまった。強く言い過ぎてしまったかもしれない。
淵は壁にかかっている時計を確認した。
あなたの下の名前は少し嬉しそうな顔をした。
あなたの下の名前はDVDを選び、レジへと行った。
あなたの下の名前ちゃんの嬉しそうな顔を見たら、こっちもなんだか嬉しくなってきたな。
あなたの下の名前は淵のバイトが終わるまで、他のDVDのコーナーを見ていた。
淵はふにゃっと笑った。
私的に、風立ちぬは不思議なストーリーだけど、結構な名作だと思うんだけどなぁ。
面白いのに、渋いなんて...分かってないなぁ。
2人でジブリについて盛り上がっていたら、あっという間に家に着いてしまった。
あっ、でもバイトで疲れてるよね......。
あなたの下の名前の呟きが耳をすり抜けていくほど、淵はぽかんとしていた。
あなたの下の名前はいい笑顔で、家の扉を開けた。
ガチャッ
あなたの下の名前と淵の顔は一気に青ざめていった。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。