その頃___あなたの下の名前と淵は、
息を殺していた。
2人は物が沢山置かれているクローゼットの中に飛び込んだ。
なので、凄く、すごぉ〜く距離が近い。
淵は、異性と狭いクローゼットで2人きりという状況が、人生で初めてだったので今にも頭がパンクしそうだった。
あなたの下の名前ちゃん、平気そうだな......僕だけなのかな、こんな気にしてるの...それとも、飛とかと狭いところに隠れたりしたことがあるのかな?
.....ありえる。
はぁ、この場所に飛が居なくてよかった。絶対入らないよぉ。
その頃、まひるはハンカチを探したフリをし、女の子に手渡していた。
あなたの下の名前ちゃんが転んでくれなかったら、見つからなくて、ずっと2人を閉じ込めることになるところだった......ナイスあなたの下の名前ちゃん。
まひるは鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。
そーゆーの..........まぁ、うん。あっち系だろう。
でも、淵とあなたの下の名前ちゃん、隠れてるし______
またもや、まひるは顔が真っ青になった。
まひるが焦っている間にも、女の人は身体を擦り寄せて来る。
まひるは咄嗟の嘘でカバーした。
女の人は目を少し開いたあと、すごい形相になった。
男の子(と女の子)とかだよ。
嘘は言っていない。
...本当のことでもないが
バタン
女の人は帰った。
2人はまひると女の人の様子を隙間から覗いていた。
まひるが困っているのが見える。
その顔を見て、あなたの下の名前は気づいた。
そんなことを考えているうちに、淵のことをまじまじと見てしまった。
それに気づくのは淵に声をかけられてからだった。
無意識だった。
人の顔をまじまじ見るのは良くないよね、うん。
気をつけよう。
あなたの下の名前は淵の顔色を伺った。
暗くてよく見えなかったが、耳まで真っ赤になっていた、はず。
そう言って淵は顔を背けた。
そんなに、嫌だったのか......申し訳ない。
狭い空間で2人きり、真っ暗で退屈なので外の景色を見てみた。
いつの間にか、目の前にいたまひると女の人は消えていた。
あれ?2人でどっかに行ったのかな。
そう考えていると、隙間から見えていた部屋が見えなくなり、真っ暗になった。
ガラ!!
急にロッカーが開かれたので、寄りかかっていたあなたの下の名前は前に飛び出るような形になってしまった。
......?びっくりしたぁ、転けそうだった。急に開いたんだもん。
ていうか、まひるくん?だよね開けたの。
そう思い、あなたの下の名前は上を向いた。
案の定、まひるだった。
この人は......まったく。
そういってまひるはクローゼットを覗いた。
淵は顔と耳を隠してうずくまっていた。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。