第48話

No.48
1,906
2023/09/01 14:59 更新
緑谷出久
轟くん!!







外に出ると、何台かのパトカーがとまっているのがわかった。





騒ぎを聞きつけて集まってきた一般人。





警察と話しているヒーロー。





そして、逮捕されていくヴィラン。







轟焦凍
緑谷...







警察やヒーローたちと一緒に来ていたのだろう。





緑谷が俺を呼びながら、こちらに駆け寄ってきた。







緑谷出久
大丈夫!?なんともない!?
轟焦凍
...ああ、大丈夫だ。なんともねえよ
緑谷出久
そっか、よかった...







俺が無事だということがわかると、緑谷は安心したように息をついた。





...緑谷には本当に、迷惑かけてばっかりだな。







轟焦凍
...緑谷、ごめんな
緑谷出久
え、なんで轟くんが謝るの?
轟焦凍
俺、お前に迷惑かけてばっかりで...







いや、緑谷だけじゃない。





爆豪にも、迷惑をかけた。





俺がもっと早く、自分の気持ちを整理すべきだったのに。





2人にはもちろん、元A組のみんなにもいろいろと世話を焼いてもらったのだ。





それだけじゃない、家族にだって。





みんなも同じぐらいつらかったはずなのに、俺は...。







緑谷出久
轟くん







名前を呼ばれ、顔をあげる。





緑谷はこちらを見つめ、真剣な表情をしていた。







緑谷出久
僕もかっちゃんも、迷惑だなんて思ってないよ
轟焦凍
緑谷出久
好きでやってたことなんだから、そんなふうに言わないでよ







"私が好きでやったことなんだからさ"







ふと、姉が言っていたことを思い出す。





ああそうだ。





お前は、そういうやつだったよな。







轟焦凍
悪ぃ、







緑谷は、そんな俺を見て柔らかく笑ってくれる。





かと思ったら、スッ、と真剣な表情になった。







緑谷出久
...あのね、轟くん
轟焦凍
なんだ?
緑谷出久
君や他のヒーローたちに危害を加えたヴィランについて話したいんだけど、いいかな
轟焦凍
...ああ、頼む








話を聞く覚悟はできている。





もう、逃げないから。





あいつのためにも、話を聞かなければならない。







緑谷出久
まず、あの男性の個性について話すね






緑谷から聞かされた話はこうだ。





あの男の個性は『悪夢』。





といっても、ただの悪夢じゃない。





その人にとっての物凄く幸せな夢、悪夢を見させ、自力で夢から覚めないようにコントロールするのだそうだ。





けれど俺は、なぜか出てくることができた。





きっと姉が、あなたが助けてくれたんだな。







緑谷出久
個性の発動条件は相手に2回触れることなんだけど、轟くんはあの人と会ったことがあるん...だよね?







正確に覚えているわけではない。





だけど、あの男は言っていた。





過去に俺に助けられたと。





半年前の、あの事件で。







緑谷出久
その人のことなんだけどね。実はあの男性、轟さんにも助けられたらしいんだ
轟焦凍
...え、?
緑谷出久
それも、半年以上前のあの日に
轟焦凍
...それは、どういうことなんだ
緑谷出久
...あの男性は、半年以上前のあの日のヴィランたちの仲間だったんだ







その言葉を聞いた瞬間、俺の中でなにかが切れた音がした。

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