第16話

隠し事はなしで
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2019/11/04 13:21
明らかに、何か言いたいのは
わかる。

そして、ついにそら君は、ゆっくりと
口を開いた。
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
(大丈夫・・・落ち着け)
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
あの日、俺は天馬てんま先輩に
なんか〜その〜
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
ん?
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
キスされちゃって
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
その、酔った勢いで的な
感じだと思うんで・・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
俺は・・・本当に、気にして
ないです・・から
俺が、そら君にキスをした?

それも、チョコなんか食べて、酔っぱらった
せいで・・・
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
宙くん、本当ゴメン・・・
俺は、ガッと頭を深く
下げる・・・

宙君は、「大丈夫です」と、言って
苦笑いをしている。

もっと、早く気づくべきだった・・・
キス・・・そんな事を、したなんて

俺は、正直ビックリしていた。
酔った勢いとは、いえ・・・許される
はずがない・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
あの、もう、頭上げてくださいよ
俺は、ゆっくりと頭を上げた。

そもそも、俺は、宙君に恋愛感情
なんて、持ってないはず・・・いや

そう信じたかった・・・
でも、本当は、宙君にそういう事を

したいとか思ってたのか?
・・・・・・・
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
ゴメン、怖かったよね?
それに、覚えてないなんて、俺は卑怯だ
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
そんな事ないです!
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
確かに、天馬先輩にキスされて
俺も、正直・・・戸惑ってるつうか
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
でも、嫌じゃなかった気も
ブツブツ・・・・
宙君は、「わかんねーー!!」と
頭を抱え込んでいる。

本当に、宙君は、優しい。
そして、迷惑をかけるのは、いつだって

俺の方だ・・・
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
俺・・・しばらく、宙君から、距離
とったほうが、いい気がする
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
えっ?なんで、ですか?
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
・・・
わからない・・・

でも、キスしたとか、してないとか
関係なく、俺は、宙君可愛いかもって

本当は、好意を持ってた変なやつで
俺自身が怖い。

自分では、考えないようにしてた。
宙君と、同じ部屋になってから

俺の世界が、少し明るくなって
口うるさい後輩が、何気に気になる

存在になって・・・・

本当は、宙君を、撫でたり
触れたいと思っていたかもしれない。

それが、酔った勢いで、ブレーキが
効かなくなったんだ。

もしも、宙君に、「キモいんだよ!
この年間ジャージ野郎!!」

なんて、言われる妄想をしたら・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
先輩!天馬先輩!
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
うわっ!
深く考えすぎてたせいで、

宙君の顔が、急に視界に現れ、俺は
驚いてしまった。
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
あの、離れるとか、離れないの
問題じゃないでしょ
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
だって・・・そうしないと
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
もう、逃げるのは、やめましょう!
お互いに
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
えっ
宙君の目が、ジッと俺を見つめる。

真剣な瞳に、目が放せなくなる。
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
俺、キスされた事気にしてない
なんて、嘘です・・・
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
あと、俺の気持ちからも逃げない
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
天馬先輩も、逃げないでくださいよ?
後輩が、逃げないって言ってるんだから
桐ヶ谷  宙
桐ヶ谷 宙
頭の中で、考えること、全部
吐き出して、隠し事はなしにしましょう
天馬  蓮斗
天馬 蓮斗
・・・・・・・・・・
いつもより、肝が座っている
宙君。

俺が、抵抗できるはずもなく、
「わかりました・・・」
と、返事を返した。

こうして、俺と宙君は、隠し事を
しない話を、始めることにした。

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