大学の入学式が終わったあと、ヒロに会えてから
お兄ちゃんはまた後輩たちを家に呼ぶようになり。
私はヒロと接するときは、なるべく今までと変わらないようにしていた。
が、そんなある日のこと。
兄としての気遣いからなのか、私に料理を作れって言い出しヘタなのを知っていて…
たぶん本の中で私が料理を作ったのを思い出し復元させてみようと、そんな魂胆だったんじゃないかと思う。
唯一の救いは唯ちゃんも一緒に作ってくれるって事なんだけど、でも…
(唯ちゃん…ハハッ)
(ハッ、またやってしまった)
(えぇーっ、聞いてないよ悪夢の再来が)
そして…
それに引き換え向こうは…
(なんだか唯ちゃんとトッツーいい感じ、いつの間にあんな仲良くなったんだろ)
そう思っていた、その時だった。
ヒロが、突然怒り出し。
それは千賀くんが漏らしてしまった一言が原因だったらしい横尾くんはヒロを別の所へ連れて行き戻って来たときには。
「そっか、話したんだ」その一言と彼の苦渋の表情を見て察しがつく。
そんな私を皆が心配そうに見つめ私は翼くんと出かけていてその場にいなかったお兄ちゃんには内緒にしててくれるよう頼み、その日は解散することにし
それから数日後「トルルル」
ヒロから電話が掛かって来て言われた言葉「友達のままでいよう」それは、たぶん記憶のない彼が凄く悩んで出した答えなんだろうなと思った。
だから私は受け入れるしかなかったの、この時は…
・横尾side
俺は北山から後日そのことを聞く、あのとき千賀が
(なぁーんてことを言ったもんだから、こいつキレてしまって)
かと言って今さら四神天地書のことを話しても信じてはくれないだろうし、と思った俺は。
北山は言う、なんで自分が記憶を失ってしまったのかは分からないけど滝沢くんを困らせるような事になっていたのなら無くして良かったのかもしれないと。
それに今の自分は、あの仔の想いに応えてやれない。ならハッキリさせてあげた方がいいと思った「これ以上、傷つけない為にも」
あいつなりの優しさだったのかもしれない…
(けど本当にこれでいいの?あんなに強く想い合っていたのに、もう俺らにはどうする事も出来ないってわけ)
そう思っていたとき「トルルル~」携帯に掛かって来た電話が1つの希望を与えてくれた。
それは薮と光が同じ夢を見たって話しから始まり。
(ちょ待て、それって)
(あのときのことか!?)
俺の頭の中にある光景が浮かぶ、確か婁宿が死ぬとき北山の耳元で何かを言っていた。
それは微かに聞こえた言葉「これだ、キーワードは太陽の温もり」
(俺の記憶が正しければ北山は太陽に会うことで今までのことを思い出すはず)
それから藤ヶ谷に電話して、このことを伝え。
(後は、あいつをどうやって連れ出すかだ)
「無くして良かったのかもしれない」北山が言っていた言葉が脳裏を過ぎった、まともに言っても彼奴は来ない気がする、だったら偶然を装い上手く遭遇させるしかないと俺はその方法を模索していた。
(あなたちゃん待っていて必ず北山の記憶を取り戻してみせるから)
そう堅く心に誓い…












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。