第135話

春の予感③河合→主人公side
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2020/05/27 08:30
俺の中には今、心宿がいる彼奴は躊躇したけれど
俺が無理矢理につかんで離さなかったんだ。

(だってそうじゃん死んだら終わりだなんて、そんなことはさせない、あいつ北山にとってはまだ終わってないんだから今までは俺がお前に付き合ったけど
これからは俺に付き合って貰うから覚悟しとけ心宿)

そして、トッツーの話を聞きジッとしていられなくなった俺はある所へ単独で乗り込む。

正直、今までは避けていた。俺の顔なんか見たくはないんじゃないかと思ったし「けど逃げてちゃいけないんだ、ちゃんと向き合わなくちゃ、あの仔だって」そう決心をし、そこへと向かう。

「確か滝沢くんの家から近いって聞いたから、この辺だと思うんだけど」ウロウロしていると。

.
唯、またねぇ~


そんな声が耳に飛び込んで来て、ふと目を向けたら「いた、あの仔だ」俺は迷わず近づいて。

‥‥っ
河合
こんにちは


彼女は、驚いた顔をし俺のことを見つめた。

…どう‥して…
河合
話がしたくてさ
私と
河合
迷惑?
‥‥‥


すると一瞬、言葉を詰まらせてから。

…いいよ


そうOKしてくれ。

河合
ありがとう、ふっ


俺達は近くの公園のベンチに座って話すことにし。

…で、なに?
河合
ごめん急に会いに来ちゃったりして
‥‥‥
河合
トッツーのことなんだけど
そのことは、もう…
河合
ぶっちゃけ、あいつのこと
どう思ってんのかな?
どう…って
河合
まったく脈なし?


俺が聞くと、彼女は声を絞り出すように。

…そんな資格‥私には…ないから‥
河合
どうして?あいつはトッツーは君に
本気で惚れているんだ
‥‥っ
河合
向こうで見ているときから、なぁ
もう一度考えてやってくれない?
むっ、無理だよ
河合
なんで?
あんた達だって、いつかは
デビューするんだろ
河合
‥‥っ
私がどれだけ嫌な女かなんて、あんたが一番よく知ってんじゃん
河合
知っているよ君は本当は
優しい仔なんだって
そんなわけ
河合
狼になった尾宿を逃がしたの
君だろ?ニコッ


そう、あのとき塚ちゃんはそれ聞き凄く感謝して
いたんだ。

でも角宿があんな事になったのは
河合
それも違う彼は自分の想いに従った
だけ後悔はしていないはずさ
けど私がバカなことをしなきゃ
みんな死なずに済んだんだ
河合
そうやって自分を責めて何になる?
河合くん
河合
って俺も似たようなもん
だったけどな、ふっ


北山のこと滝沢くんの妹のこと罪悪感で一杯だった

河合
けど俺達は、それじゃダメなんじゃ
ないかな?
‥‥っ
河合
やらなきゃいけない事があると思う
違う?
…私に‥何が出来るって言うの
河合
それを一緒に考えないか?
‥‥っ
河合
俺は、もう一度、あの2人を
くっつけてやりたいんだ


そう言うと彼女は…

私も見ていられない無理して明るく
振る舞っているあなたが、それができ
るのならなんだって協力する
河合
なら決まりな、ニコッ
えっ
河合
トッツーと、ちゃんと話をして今後は2人で彼奴らを元に戻す方法を探っていけばいい
でっ、でも
河合
本当のところどうなの?俺だけ
には教えて
…私


(なぁ~トッツーお前フラれてなんかいないじゃん、その逆さ、この仔は本当は嬉しかったんだ、お前の気持ちが)

叶うなら角宿とは交わることが出来なかった想い、やり直したいと思っている。けど北山と彼女の今の状況を考えると自分だけ、お前の気持ちを受け入れることが出来なかった。

(バリバリ両想いじゃん頑張れよ)

そう思いながらも俺は、房宿のことを考えていた「俺も、いつかは会えるのかな」春がもうすぐ近づきつつある晴れた日の空を見上げ。





・あなたside

春、桜が咲く季節。それは新しい物語のスタートのとき「ヒロ、みんな見てる?私、大学合格したよ」

.
あなた、あんた凄いじゃん
.
ほんと見直した今日は帰りにマックに寄って皆でパァーッとやろう


変わらない友達…

あなた、ニコッ
あなた

唯ちゃん、んふふっ



変わらない友情。

あなた

クラス違っちゃったね

うん、でも隣のクラスじゃん


そこにヒロはいなくても、ときは静かに流れてく。

それにこれからはお互い色んな人と
付き合っていかなくちゃ、もう幼稚
園児じゃないんだし
あなた

そうだね



私達は、あの経験を通し少しだけ大人になった気がする。

そういや四神天地書、また図書館に?
あなた

お兄ちゃんが、もう誰の眼にも触れないようにって私もそれでいいと思ったから

そっ


と、そのとき私は唯の耳に付いてるピアスに気づく

あなた

それ

えっ、ぁ…うん


(心宿のだよね?)

不思議なんだけどさ、これだけは消えなかったんだ私どうしてかな?今でもあの人のこと憎めなくて、たぶん彼が私に似ていたからだね、ううんちょっと違うな私の中にいたのかもしれない


(唯ちゃん…)

だから、あの人を…自分の過ちを忘れないよう一生持っておこうと思ってる
あなた

そうだね、あの人はきっと私の中にも
いたよ、そして皆も



もう四神天地書が開かれることはないけれど、私は私達は信じている、あの世界は確かに存在していて今も…そしてこれからも永遠に続いていくんだって私達の心の中にも。

滝沢
そう少女たちの心の中で彼らは
生き続けていく、いつまでも
あなた

お兄ちゃん!?いきなり現れないで

滝沢
さっきから後ろにいたけど、クスッ
あなた

ってかどうしたの?迎えに来るだなんて

滝沢
ちょっとな、その先に用事があって
あなた

ふーん

滝沢
2人とも一緒に来ない?
あなた

えっ

‥‥っ
滝沢
なっ?ニコッ


「って、えぇーっ友達との約束が」が、私と唯ちゃんは強制的に拉致られてしまい。

あなた

ちょっと、お兄ちゃん

滝沢
不思議も奇跡も存在する
あなた

‥‥っ

滝沢
俺は、あのことで本当にそう思った


そして、とつぜん車の中で今まで触れようとしなかった話をし始めたの。

滝沢
知っているかあなた?朱雀ってのはな、もとは鳳凰で「鳳は雄で凰は雌」不死鳥とも呼ばれている
あなた

‥‥っ

滝沢
身を焦がしながら炎の中で結ばれては何度も生まれ変わる永遠に離れることのない宿命の愛の象徴なんだって


(炎の中で…)

あのときヒロと最期の口づけを交わし抱きしめ合ったとき私は身も心も結ばれたような気がした。

滝沢
だから、もう一度始めてみない
最初から


そう言って、お兄ちゃんが視線を向けた先には。
(嘘っ、ヒロ!?)

滝沢
あいつの記憶は確かに消えてしまったけど、まだこれからだろ?お前らには時間が充分にあるんだから


その隣には、トッツーもいて。

‥‥っ
滝沢
2人とも、ほら行って来い青春は
謳歌しなくちゃ


(ありがと、お兄ちゃん)

あなた

あ…あの‥

北山
こんにちはあなたちゃん今日、エスコートさせてもらう北山宏光です宜しく
戸塚
戸塚祥太です、ニコッ
こんにちは
戸塚
こんにちは唯ちゃん


それは、お兄ちゃんから私への入学祝いだったことを後になって知る。

「ここから一歩、前へ踏み出せばいい、また物語りを始めればいいんだと」このときの私はそう思っていた。

春の陽射しの中で…




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