体育祭が終わって、
やっと一息つける__はずだった。
けど。
jk「……痛い」
右足の痛みは、
なぜか引くどころか、
じわじわ強くなっていった。
最初は我慢できる
くらいだったのに、
歩くたびに顔が
歪むレベルになってきて、
v「ジョングク、もう1回見せて」
テヒョン先輩に、
半ば強引に保健室へ連れて行かれた。
「悪化してるね。
これ、病院行った方がいいよ」
保健室の先生にそう言われて、
結局、そのまま先輩と
一緒に病院へ行くことになった。
___診察室。
医者の先生が
レントゲンを見ながら言う。
「うん、捻挫だね。
しかも結構しっかりやってる」
嫌な予感しかしない。
jk「……どれくらいですか」
「全治2週間」
…終わった。
思わず天井を見上げた。
隣で、先輩が小さくため息をつく。
v「だから言ったのに」
jk「……すみません」
素直に謝るしかなかった。
湿布と痛み止めが処方されて、
薬を受け取って、外に出る。
少し静かな帰り道。
v「……部屋、来る?」
先輩がぽつりと言った。
jk「え」
v「その足で1人は無理でしょ」
確かに、
普通に歩くのもきつい。
jk「……お邪魔します」
そう言うと、
先輩は少しだけ
安心した顔をした。
___先輩の部屋。
この前も来たばっかりなのに、
なんか今日は
少しだけ空気が違う気がした。
v「座って」
ソファに促されて、
ゆっくり腰を下ろす。
先輩はそのまま
俺の前にしゃがんで、
足に巻かれていたテーピングに
手をかけた。
v「外すよ」
jk「……はい」
するする、と
丁寧に外されていく。
痛みがじんわり広がる。
そのあと、湿布を
新しいものに貼り替えてくれる。
ひんやりした感覚が、
少し気持ちいい。
jk「……すみません」
思わず呟く。
v「なにが」
jk「色々……」
迷惑かけてる気がして。
でも先輩は、
手を止めずに言った。
v「別に」
それから、
テーピングを巻き直す。
さっきよりも、しっかりと、
でも痛くないように。
その手つきが優しくて、
…ほんとにこの人…、
言葉にできない何かが、
胸に広がる。
v「はい、終わり」
jk「……ありがとうございます」
顔を上げると、
先輩と目が合う。
少しだけ近い距離。
jk「…なんで
部屋呼んだんですか」
なんとなく聞いてみた。
先輩は少しだけ
考えてから、言った。
v「一緒にいたいから」
さらっと。
当たり前みたいに。
v「それと」
少しだけ真剣な顔になる。
v「心配だから」
その言葉に、
胸がぎゅっとなる。
何も言えなくて、少し俯く。
v「……無理しすぎ」
ぽつりと、
優しく言われる。
jk「……先輩に
繋ぎたかったんです」
正直に言うと、
一瞬だけ、先輩が固まった。
それから、
少しだけ笑った。
v「知ってる」
jk「え」
v「顔でわかる」
そう言って、
俺の頭を軽く撫でる。
その手が、
やっぱり優しくて、
v「……ちゃんと渡せたじゃん」
そう
言われて、
やっと少しだけ、
救われた気がした。
jk「……はい」
小さく答える。
そのまま、
ソファで少しだけ寄りかかると、
先輩は自然に隣に座って、
肩を貸してくれた。
何も言わない時間。
でも、すごく落ち着く。
…ずっとこうしてたい。
ふと、そんなことを思う。
痛みも、不安も、
全部どうでもよくなるくらい。
ただ隣にいるだけで、
安心できる存在がいることが、
こんなに心強いなんて、
知らなかった。
jk「……先輩」
v「ん?」
jk「……もうちょっと、
このままでいいですか」
小さく聞くと、
先輩は当たり前みたいに答えた。
v「いいよ」
その一言で、
胸の奥が
じんわりあったかくなった。
たぶん俺は、
こういう時間を、
ずっと欲しかったんだと思う。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。