体育祭が終わって、1週間。
俺の足はまだ完全には
治ってなくて、
結局、
今日もテヒョン先輩の
部屋にいた。
v「無理すんなって
言ってるでしょ」
そう言いながら、
先輩は当たり前みたいに
世話を焼く。
湿布を替えて、
テーピングをして、
飲み忘れないように
薬を出してくる。
jk「……過保護すぎません?」
v「今さら?」
jk「……否定しないんですね」
v「する必要ないし」
さらっと言われて、
何も言い返せなくなる。
ソファに座って、
そのまま少しだけ目を閉じる。
静かな部屋。
時計の音と、
ページをめくる音だけが聞こえる。
……落ち着く。
目を閉じたまま、
ぼんやり考える。
体育祭、楽しかったな、とか。
あのときのこと、とか。
でも、ふと。
違うことが頭に浮かんだ。
…あと1ヶ月くらいで、夏休みか。
時間って、早い。
入学したと思ったら、もう夏。
そして、夏が終わったら__
…卒業まで、あと半年ちょっと。
その事実に気づいた瞬間、
胸の奥が、
きゅっと痛くなった。
ゆっくり目を開ける。
先輩は、
すぐ近くで本を読んでいた。
その横顔を見ながら、
気づいたら、口が動いていた。
jk「……卒業してほしくないです」
ぽつりと、こぼれた言葉。
自分でもびっくりするくらい、
素直だった。
先輩は少しだけ目を止めて、
それからゆっくり顔を上げる。
目が合う。
一瞬、何も言わない時間。
それから、
先輩はほんの少し微笑んで、
そのまま、
俺の唇に軽くキスを落とした。
jk「……っ」
一瞬で思考が止まる。
離れたあと、
先輩が静かに言った。
v「……卒業しても、
一緒なのは変わらないよ」
優しい声。
v「寮もしばらくは出ないし」
その言葉に、
少しだけ息が楽になる。
でも、
それでも、
なんか足りなくて。
気づいたら、
体が動いていた。
ぎゅっと、
先輩に抱きつく。
v「……ジョングク?」
少し驚いた声。
でも、そのまま受け止めてくれる。
顔を近づけて、
耳元で小さく言う。
jk「…先輩のそばにいたいんです」
本音だった。
かっこつける余裕もなくて、
ただそのままの気持ち。
少しだけ、
抱きしめる力を強くする。
すると、先輩も同じように、
ぎゅっと抱きしめ返してきた。
v「俺も」
低くて、落ち着いた声。
v「ずっとそばにいるよ」
その言葉が、
胸の奥に落ちてくる。
不安だったものが、
少しずつ溶けていくみたいに。
何も言わずに、
そのまま抱きしめ合う。
時間がゆっくり流れる。
…ずっと、
このままでいいのに。
そんなことを思いながら、
俺は、先輩の温度に身を預けた。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。