第50話

醜き桜の散り様
724
2020/07/25 09:35 更新
夜霧 蘭
夜霧 蘭
カハッ……!!
甘露寺 蜜璃
蘭ちゃん……!!
何度も何度も攻撃を繰り出す。


上弦との戦いというのはここまで辛いのか。


いいや、私は無惨を倒す目標があるんだ。


こんなの耐えきれなくて何が月柱の月夜叉。


あぁ、杏寿郎くんがやられてしまったのも、


今なら少し、分かるかもしれない。






血の巡りを速く、もっと、もっとだ。


肺を大きく、大きく。


呼吸を深く、深く。


手だけは止めるな、刀を振れ。
甘露寺 蜜璃
……行くよ!蘭ちゃん!!
夜霧 蘭
夜霧 蘭
あぁ、任せろ!!!
羽織と耳飾りが大きく揺れる。


ゴオォッッ……と、強い風の音。


気付けば、限界をも超えていた。


体に熱が籠るようだ。


何度も何度も蜜璃ちゃんと合わせ技を繰り出す。


避け、整え、攻撃するの繰り返し。
上弦の肆
………しつこい奴等め……ッ!!
夜霧 蘭
夜霧 蘭
はは!!お互い様だね!!
甘露寺 蜜璃
じゃあせめて攻撃が効いてよっ!!
私達の相手は、云わば不死身。


だってそうだろう。


本体ではない相手、でも放っておけば皆死ぬ。


そんな相手を柱二人で対処。


私が足を引っ張るわけにも行かない。


もっと、もっと、力を────────
甘露寺 蜜璃
はぁぁぁっ!!!
夜霧 蘭
夜霧 蘭
ぐっっ!!
上弦の肆
効かぬ、効かぬ効かぬ効かぬ!!!
上弦の肆
終わりだ、愚者ども。
視界が暗くなる。


月明かりすら見えなくなる。


もうすぐ夜明けの筈なのに、


あともう少しなのに、



私たちは、目の上にある血鬼術に絶望した。










だけど、途端に、視界が晴れた。
甘露寺 蜜璃
…えっ?
夜霧 蘭
夜霧 蘭
これは…。






目の前の鬼がはらはらと桜のように散ったのだ。






つまり、
夜霧 蘭
夜霧 蘭
────随分美しくない桜め。
思わず私は薄笑いでそう言った。
甘露寺 蜜璃
やったぁぁぁぁぁ!!!
夜霧 蘭
夜霧 蘭
ぐぇっ、蜜璃ちゃん、
苦しい苦しい痛いって。
二人とも血だらけ傷だらけ。


抱き締められると骨が軋んで痛いし、


視界も疲れたのかぼやけつつあった。
甘露寺 蜜璃
はっ、ごめんなさい!私ったらつい!
夜霧 蘭
夜霧 蘭
うん、間違えても小芭内くんにはやらないでね。死んじゃう。
甘露寺 蜜璃
…?
甘露寺 蜜璃
さ、行きましょ!!
夜霧 蘭
夜霧 蘭
え、どこへさ。
甘露寺 蜜璃
勿論、皆の所に!!
パシッ、とかじゃなくて、


ガシッ、と私の手を掴み引っ張りつつ走る。
夜霧 蘭
夜霧 蘭
うぉ、力強、腕がもげてしまうよ蜜璃ちゃん。
甘露寺 蜜璃
加減はしてるわ~♪
蜜璃ちゃんは加減をしていると言っているが、


いやぁかなり痛い。引っ張りすぎ。


そんなに引っ張らなくたって私も走れるさ。




でも、不思議と悪い気はしないし。





日の光が溢れる森を駆け抜ける。


その先に見えたのは。
甘露寺 蜜璃
みんなーーー!!!!
甘露寺 蜜璃
みんなーーー!!!
甘露寺 蜜璃
みんなあああぁぁぁぁ!!
夜霧 蘭
夜霧 蘭
だから力強…っ。
あぁ、良かった、無一郎くん。


傷だらけだが…あぁ、そういうことか。


上弦の伍は彼がやったのだろう。


はは、面子が立たないな、私も。
甘露寺 蜜璃
勝った勝ったぁ!凄いよぉ!
みんなで勝ったよ!生きてるよぉ!
甘露寺 蜜璃
よかったよぉ!!
竈門 禰豆子
よかったねぇ!
夜霧 蘭
夜霧 蘭
…ん????
竈門 禰豆子
ん??
夜霧 蘭
夜霧 蘭
ねねねねね、禰豆子ちゃん!!?
いいいいい今のは完全に禰豆子ちゃんの声…!?


てかおかしい、完全に日向なのに、


鬼である、禰豆子ちゃんがここに…!!


バッと炭治郎くんを見ると、


優しく微笑んで、それからゆっくり説明してくれた。

プリ小説オーディオドラマ