何度も何度も攻撃を繰り出す。
上弦との戦いというのはここまで辛いのか。
いいや、私は無惨を倒す目標があるんだ。
こんなの耐えきれなくて何が月柱の月夜叉。
あぁ、杏寿郎くんがやられてしまったのも、
今なら少し、分かるかもしれない。
血の巡りを速く、もっと、もっとだ。
肺を大きく、大きく。
呼吸を深く、深く。
手だけは止めるな、刀を振れ。
羽織と耳飾りが大きく揺れる。
ゴオォッッ……と、強い風の音。
気付けば、限界をも超えていた。
体に熱が籠るようだ。
何度も何度も蜜璃ちゃんと合わせ技を繰り出す。
避け、整え、攻撃するの繰り返し。
私達の相手は、云わば不死身。
だってそうだろう。
本体ではない相手、でも放っておけば皆死ぬ。
そんな相手を柱二人で対処。
私が足を引っ張るわけにも行かない。
もっと、もっと、力を────────
視界が暗くなる。
月明かりすら見えなくなる。
もうすぐ夜明けの筈なのに、
あともう少しなのに、
私たちは、目の上にある血鬼術に絶望した。
だけど、途端に、視界が晴れた。
目の前の鬼がはらはらと桜のように散ったのだ。
つまり、
思わず私は薄笑いでそう言った。
二人とも血だらけ傷だらけ。
抱き締められると骨が軋んで痛いし、
視界も疲れたのかぼやけつつあった。
パシッ、とかじゃなくて、
ガシッ、と私の手を掴み引っ張りつつ走る。
蜜璃ちゃんは加減をしていると言っているが、
いやぁかなり痛い。引っ張りすぎ。
そんなに引っ張らなくたって私も走れるさ。
でも、不思議と悪い気はしないし。
日の光が溢れる森を駆け抜ける。
その先に見えたのは。
あぁ、良かった、無一郎くん。
傷だらけだが…あぁ、そういうことか。
上弦の伍は彼がやったのだろう。
はは、面子が立たないな、私も。
いいいいい今のは完全に禰豆子ちゃんの声…!?
てかおかしい、完全に日向なのに、
鬼である、禰豆子ちゃんがここに…!!
バッと炭治郎くんを見ると、
優しく微笑んで、それからゆっくり説明してくれた。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!