そして、私は蜜璃ちゃんに合わせ、
呼吸を使い、飛び上がり技を出す。
『恋の呼吸 陸ノ型〝猫足恋風〟』
『月の呼吸 弐ノ型〝朱華ノ弄月〟』
今度は広範囲の技、
私だって果たして全てを受けきれるかは分からない。
仕方ない、新技、使わせてもらおう。
『恋の呼吸 伍ノ型〝揺らめく恋情・乱れ爪〟』
『月の呼吸 玖ノ型〝降り月・連面〟』
降り月・連面。
広範囲に連続し降り注ぐ斬撃を繰り出す技。
これが新技…まぁ、正確に言えば、出来なかった技。
どうして今になって出来たのか、
それは私の長年の研究の末さ。
どうすれば出来るのか、
果たして技術的なものか。
研究し、辿り着いた答えは、刀にあった。
それを乗り越えた今、
私にも、師匠に追い付く、
いや、追い越す力を手にいれたのだ。
刃に更に刃を加える。
見なければ分からないほどの緻密で、
極めて造るのが難しい代物。
刀鍛冶さんに感謝しまくったさ。
恐らく残像が見えるほどの速さで接近し、
技で畳み掛けようとした、その瞬間。
──────『狂圧雷波』
恐ろしく早く血鬼術を放つ上弦。
しまった、間に合わなかった…!
もろに真正面から食らった蜜璃ちゃんは────
気を失ってはいたが、
しっかりと筋肉で防御していた。
さてどうしてやろうかと向き合う。
気付いた、それは。
鬼の術の狙う先。
私ではない、四人に向かっていた。
最悪だ、流石にそっちまでは守りきれない…!
出来るのはほんの少しの妨害のみ。
いや、それでもやってやる。
『月の呼吸 壱ノ型〝光月・宵の宮〟』
大きく技を繰り出すが、
まぁそうだよな、とも言わんばかりに、
樹の様な血鬼術で防がれてしまう。
とにかくその術も斬り伏せ、妨害を繰り返す。
だが、一瞬の隙で、彼方へ攻撃がいってしまう。
一人で血鬼術を庇う中、そこに私も加勢する。
さて、ここからは。
私達柱がお相手しよう。
恐らく背後にいるであろう鬼は任せ、
目の前の敵を倒すことを考える。
やれる、私と蜜璃ちゃんとなら。
柱の中でも速さは他の誰より劣らない、
機動力に長けた私達なら。
蜜璃ちゃんの真剣な眼差しと顔付き。
私だって勿論腹が立ってるさ。
でもこういう時に限って、
『あぁ面白い』
と口角が上がり笑顔になってしまう。
それは私の短所であり、長所なのだろうね。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!