ここから原作完全無視でございます。
どうかご了承くださいませ。
うん、ほんとすんません(土下座)
最悪だ。
何でこんなことに…
いや、ここで俺が死んでみろ、
雛鶴も、須磨も、まきをも、
蘭も。
全員が責任を感じて塞ぎ込んじまうじゃねぇか。
そんな地味なこと、俺様がさせてたまるか。
俺は祭りの神だ。
そんなダセェことしてたまるか。
くっそ、もっと、もっと、強さがあれば。
竈門も、他の奴等ももう限界に近い。
腕は片方ねぇわ、
片目は見えねぇわ、
おまけに毒でふらついてやがる。
たられば言ってる暇はねぇ!!
今、この状況をどうにか、
どうにか打開する策を。
────────クソ、俺らしくねぇ。
譜面が完成しない。
どう足掻いても、日の出には時間が足りない。
このまま踏ん張ったとして、
一人ずつ殺されて終わる。
鬼の頚を斬る、それ以外に選択肢が無い。
やるしかねぇんだ。
覚悟は決まってる。
考えることより手を動かせ。
呼吸を出せ。
型を、どうにか。
やってしまった。
俺としたことが、地味に気が反れたなんて。
この毒の刃を喰らったら、次こそ本当に、
死ぬ。
片手で防ごうとはしたが、
間に合わないのも明確。
竈門も助けられる距離じゃねぇ。
他二人も距離が離れすぎだ。
なあ、煉獄。
お前に会えるなら、俺はさ。
『月の呼吸 壱ノ型〝光月・宵の宮〟』
上弦の陸の頚のギリギリまで斬れ掛けた。
だが、全てを斬ることは難しかった。
立ってるのも死ぬほど辛い。
そんな中俺が戦いなんざに入ったら、
邪魔にしかならねぇよ。
…おいおい、まさかだとは思うけどよぉ…
にっ、と笑って、我妻達の方を指す。
確かに休んだら二度と立てねぇ気がする。
こりゃ動いてた方が、楽かもしれねぇ。
蘭とは背中合わせに、地面を蹴り、
屋根の上に乗り込んだ。
『月の呼吸 伍ノ型〝月魄犀花〟』
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。