第2話

1話
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2024/05/07 12:53
小鳥のさえずりが優しく街に降り注ぐ。そんな朝だった。
佐藤 蒼
(うっ……今日の夢も「前世」の記憶だったな…)
大体転生系は人が死んでから生き返り、別世界に行くのがセオリーだ。
佐藤 蒼
(みんなは、きっと「前世」では仲が良かったんだろうな。)
それも、親友や身の回りの人もみんな死ぬなんて、世界が滅びるぐらいしかないように思える。
佐藤 蒼
(夢や記憶を見る限り、きっとみんな優しくて楽しい世界だったんだろうな。)
そんな世界が滅びるなんて、とんだ皮肉みたいな感じだ。
黒鳥 海
……なんだよ、浮かない顔してるな。
佐藤 蒼
あ、おはよう、海さん!
黒鳥 海
……何も知らない感じっぽいな、なら良い。
佐藤 蒼
何もしらな……って何の事!?海さん盗みでもしたの!?
黒鳥 海
してねえよバカ
佐藤 蒼
…じゃあ、何のこと?
黒鳥 海
……忘れろ。というか走らねぇと遅刻するぞ。
佐藤 蒼
ほんとだ!急がないと!!
佐藤 蒼
ほら海さんも急いで!!
黒鳥 海
……おう。




























こうして2人で走ったのも、どこか懐かしい気がするな。

なんとなくそう感じながら昇降口を通り抜けた時、間に合った事を示すチャイムが鳴り始めた。
次回最終話にします。すごく頑張ります。

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