咲きかけている目黒川沿いの桜を見て、俺は季節の変わり目を感じた。
そして俺はある人を思い出す。
中3の夏。
俺はEXILEのライブに行って、圧巻のパフォーマンスに憧れを抱いた。
そして、あの事務所に入ることを目指した。
あなた 「壱馬はどこの高校行くの?」
壱馬「俺さ、アーティストになりたいんだ。」
そういった瞬間、幼馴染のあいつは少しだけ泣きそうな顔をしていた。
でもすぐに頑張ってと言った。
そして、その年の春のVBAで俺は合格し、THE RAMPAGEのボーカルになった。
それから数年が経ち、俺はもう20歳になった。
今頃、あいつはどこで何をしているのだろう。
きっと大学かな。
あの頃、確かに俺はあいつに恋をしていた。
その恋は、途切れることなく今もなお続いている。
あいつのことを考えない日はなかった。
会えるものなら会いたい。
でも、もう多分会えることは無い。
あの日、あの時、俺は...あいつに好きって伝えていれば、何かが変わっていたのかもしれない。
まぁ、あいつ鈍感だしわかんないか...w
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!