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第75話

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2026/05/27 13:00 更新



心臓の音がまだ収まらない中、突然、着信音が鳴った

空気が一瞬で現実に引き戻される


芳典
芳典
... はい 、了解しました



短く用件を終えると、こちらに視線が向く

少し名残惜しそうに、それでもいつもの距離で


芳典
芳典
ごめんな急遽仕事入ったわ
(なまえ)
あなた
ううん 、大丈夫ㅎ頑張って
芳典
芳典
ありがとうㅎあなたのおかげで頑張れそやわ



軽く背を向けて、そのまま離れていく。

残された静けさの中、さっきの言葉だけがやけに鮮明で、
頬の熱も、心臓の音も、まだ消えてくれなかった




さっきの言葉が何度も浮かぶ

考えないようにしたいのに、無理だった

顔を覆ってソファに倒れ込む


(なまえ)
あなた
もう ... なんなの ⸝⸝⸝



小さく漏れた声は、自分でも驚くくらい熱を持っていた

その時 、

震えたスマホに、心臓が跳ねる

画面に映った名前を見た瞬間、呼吸が止まりそうになった


芳典
芳典
今日はありがとうㅎお嬢様



たったそれだけ

いつも通りみたいな文章なのに、

さっきの後だと全然いつも通りじゃない

返信画面を開いては閉じて、また開く

何を送ればいいのか分からないまま、

頬の熱だけがまたぶり返していた


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