私はのチームは、絢都と一緒だった。
めありと、光樹と離れたのは悲しいけど、2人とも勝ち抜いてくれるはずだし。
残りの2人は話したことのない人たち。
不安の感情が込み上げてくるけども、、
私は心の中にそっと、押し込めた。
1人は東雲麗仁ちゃん。
メガネをかけていて三つ編みで。
ずっと本を読んでるから、話がけにくい印象の子。
もう1人は成瀬聖
転校生で、話しかけたいとは思ってたけど。
綺麗な顔をしてるな…とは思うのだけれど、話しかけづらいのが、話しかけれない1番の理由。
絢都の提案に私を含め、全員が頷く。
接点があるのは私と絢都との間だけだし、自己紹介をすることは必要だろう。
話したことがないのだから、、
チームメイトを知っておかないとまずいっ。
それに、、
私は人付き合いが苦手で。
めありみたいに社交的だと良かったのだけど、中学に入ってから、あまり友達作りをしてこなかった。
もともと、小学校で仲のよかった子達とは、おんなじ中学になれなかった。
一通り自己紹介を終えた私たちはお互いに握手をしあった。
なんの握手かはわからないけど、
『なんとなく』
しようかとういことになったからだ。
私たちのチームは(2–3E)チームで、リーダーはもう、ジャンケンで決めてしまった。
ちなみに、一人勝ちをした成瀬がリーダー。
成瀬は、配られたえんじ色のリボンを胸につける。
ーーカンカンカンカン!!
アスカの声に合わせたようにゴングが鳴る。
まるで死が間近に迫ってるような。
私は、そんな音だと思い恐怖を覚える。
私たちの対戦相手は、ギャルの彩美とその彼氏の圭太、学級委員長の苺と、サッカー部キャプテンの智の(2−3A)チーム。
苺は未だ状況が飲み込めていないようだったが、彩未と圭太は落ち着いているようだ。
いつもはお喋りな智が黙り込んでしまっているのも気になるところだ。
この状況で喋ってられる人はいないと思うけど。
リーダー同士の聖と苺はお互いに近づいて向き合った。
2人は目隠しをすると、手をグーにして、振りかざす。
苺の手が震えてるのがよくわかった。
私の心臓は鳴り止まない。
『ほいっ!!』
合わさった2人の声。
聖がグーを出して、苺がパーを出した。
その他のメンバーである私たちは息を呑んだ。
別に勝って嬉しいだとか負けて悔しいとかそんな感情はない。
何故なら?
そんなの、もう一戦、、今度は生きるか死ぬかが決まる勝負が待っているから。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。