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家のベッドに帰ってきたあなた。
自宅治療の時には欠かせなかった鼻チューブも、点滴も。
すべてここにはなかった。
みんなが口々にあなたに声をかける中、
1人ぬいぐるみを抱きしめたまま涙目で俯いとる奴がおった。
嫌や、って吐き捨てて部屋をでていったのんちゃん。
、、、せやんな、辛いよな。
今のあなたは今まで見たことないくらいグッタリしとる。
、、、もうこのまま、ストンと死んでしまうような、そんな感じやった。
黙ったままあなたを強く抱きしめるしげ。
あんなにあなたのことが大好きやったしげが、
この残酷な現実を受け止めようとしとる。
これから来るであろう残酷な未来に、
立ち向かおうとしとる。
、、、誰もが今日、生きとるあなたの姿が見れる、最後の日やってことが分かっとった。
やからこそ、7人揃って傍におってやりたい。
ガチャッ
電気もつけず、ただただ部屋の端っこにうずくまって泣いとるのんちゃん。
、、、もうこの姿見るだけでも辛いねん。
のんちゃんの腕の中には、あの日あなたにあげたクマのぬいぐるみ。
俺はそっとのんちゃんの肩を寄せる。
のんちゃん、もう少し頑張ろうな。
あなた、俺らちょっと強がっちゃうけど
最後までパパ、やらせてな。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。