第10話

Episode9
71
2026/01/01 09:00 更新




そして、時は過ぎていった。



今日も、莉犬と過ごした最後の日のような快晴だ。



ニュースでは毎日、猛暑日だなんだと騒いでいる。






僕の夏はもう戻ってこない。






















僕らをいじめていたクラスメイトは、死んでなんかいなかった。






















あの日、莉犬は何で殺したと言ったのか、焦って勘違いしただけなのか、嘘をついたのか、何故、嘘をついたのか、僕には分からない。






ただ、莉犬はもう、ここにはいない。









この世界のどこにも。













なぜか、君だけがどこにもいない。















あの日、あの夏の日を思い出す。





僕はずっと君だけを探している。








あの日、言えなかったこと、届かなかった言葉、全部、全部、僕の中に眠ったまま。




僕だけが、前に進めないまま。









君と過ごした、たくさんの日々。



どれも大切で、大事な想い出のはずなのに。






結局、君がいないと僕は駄目なんだ。



巡る記憶の中で、僕は君の笑顔に出会う。


何度も。



何度も。







僕は君の、何を見てきただろう。











君の笑顔が好きだった。



笑った声が好きだった。




君の、無邪気な声が好きだった。







莉犬は僕の隣に確かに存在していた。










るぅと
忘れるわけ、ない⋯



るぅと
忘れられるわけ、ない
 



だって、僕は⋯っ
 



るぅと
僕を救ってくれたのは、どうしたって君で、ずっと、僕は⋯
 



君が良かったんだ。





君じゃなきゃ、駄目なんだ。









僕は、僕はずっと⋯っ
 





るぅと
大好きなんだ⋯っ!




君が。











君という存在が、



























頭の中を、飽和している。
















___________________________









「大丈夫だよ」



「ずっとそばにいる!」








___________________________








るぅと
莉犬⋯










本当は分かってるんだ。







誰のせいでもないこと。






莉犬は自分で死ぬことを決めた。





だけど僕は莉犬を苦しめてた。






実際のところ、莉犬にとって僕はどんな存在だったのかなんて分からないから。








もう、聞くこともできないから。









だから。









るぅと
誰も、悪くなかったんだ⋯



誰も何も悪くない。



るぅと
君は、何も悪くないっ⋯



僕たちは間違ったかもしれない。





だけどあの日、僕らは確かに正しかった。





るぅと
もういいよ




君が最期に言った言葉。
 

るぅと
もう、いいよ⋯っ





君は、どんな思いでこの言葉を言ったのかな。



るぅと
全部、全部、投げ出しちゃえばいい。



そうだ。僕らは逃げたんだ。





それはきっと、間違ってなかった。






心が死ぬ前に、莉犬はきっと心から笑えたから。



だから、僕は叫び続けるから。



るぅと
⋯大丈夫。
るぅと
⋯そばにいてくれて、ありがとう
 


るぅと
莉犬が居てくれて、良かった。








_____そう、言って欲しかったんだよね。




るぅと
ねぇ⋯っ、莉犬⋯!






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