第4話

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2026/03/01 15:00 更新



 舞踏会の翌朝




 セレスティア家は、いつも通り静かだった






 昨日の華やかさが嘘みたいに、




 廊下には足音だけが響く






 私は書斎へ向かっていた








 父に呼ばれている




 理由は分かっている




 舞踏会での振る舞い







 ラグーザ家との距離







 全部、報告の対象だ






 扉の前で一度だけ深呼吸をする


あなた
(ただの挨拶と1曲)





 それだけ




 何も特別なことはしていない




 扉を叩く


あなた
失礼します
セレスティア公爵
入りなさい、




 重たい声






 部屋に入ると、父は書類から目を上げた


セレスティア公爵
昨夜、問題なかったか?
あなた
はい
セレスティア公爵
ラグーザ家三男と接触したな




 一瞬、胸がざわつく


あなた
舞踏会ですから
セレスティア公爵
……何を話した



 少しだけ考える






 思い出すのは、あの視線



kzh
"忘れんなよ"




あなた
…形式的な会話です




 嘘ではない




 でも全部でもない





 父はしばらく黙る


セレスティア公爵
深入りするな
あなた
承知しています
セレスティア公爵
ラグーザは信用するな
あなた
はい




 それで会話は終わった




 いつも通り




 完璧なやり取り






 でも




 部屋を出た瞬間、小さく息を吐く


あなた
(どうして、
あの人のことを考えているの)




 ただの敵






 それ以上でも以下でもない






 なのに






 庭へ向かう




 静かな空気




 風が頬を撫でる








 ベンチに腰掛ける






 目を閉じると、自然に思い出す








 赤い瞳に低い声






あなた
…サーシャ




 名前を口にする




 それだけで、胸がざわつく






 初対面なのに






 不思議だ






 そのとき、足音が近づいた


侍女
お嬢様、今は読書の時間では、?
あなた
、えぇそうだったわね
あなた
すぐに行くわ




 立ち上がる





 決められた時間




 決められた行動








 ふと空を見上げる






あなた
私は、何も選ばない




 それが当たり前




 それが正しい




 そう教えられてきた






 でも




 昨夜、あの人は言った


kzh
忘れんなよ





 どうしてあんな言い方をしたのか




 まるで、




 何かを共有しているみたいに

あなた
…考えすぎ




 そう言い聞かせる





 一方 


 ラグーザ家





 サーシャは屋上にいた





 壁に背を預け、目を閉じている



ラグーザ家側近
昨夜は随分と穏やかでしたね
kzh
何が
ラグーザ家側近
セレスティア家ご令嬢と





 目を開ける




kzh
ただ踊っただけだ
ラグーザ家側近
珍しい
kzh
敵だろ




 それだけ言って黙る




 頭の中には、昨日の彼女の顔




 名前を繰り返した声






 “サーシャ”






 あの呼び方




 昔と同じだった




 でも



kzh
(覚えてねぇ)




 それが事実




 空を見上げる


kzh
…面倒くせぇ、



 忘れている方が楽だ




 あいつは





 何も知らない方が







 なのに、胸の奥がざわつく



ラグーザ家側近
どうされました
kzh
なんでもない




 立ち上がる



kzh
次の会談、いつ
ラグーザ家側近
三日後です
kzh
…そうか



 三日、




 短い





 また顔を合わせる




 その時、自分はどんな顔をするのか分からない

 ーー夕方




 あなたは自室で本を閉じる




 文字が頭に入らない


あなた
(おかしい)



 こんなことは初めてだ、




 敵のことで集中力を乱すなんて






 窓の外を見る




 赤く染まり始めた空






 無意識に呟く


あなた
…また会うのかしら



 願っているのか




 恐れているのか





自分でも分からない

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