第43話

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2024/05/22 01:00 更新



奏風 虹音
奏風 虹音
そこに居るのは分かってるから、出てきていいよ。
奏風 虹音
奏風 虹音
あなた。
あなた
!!!


扉の隙間から覗いている少女を見ながら、使用人は優しくそう言った

しっかりお互い目が合った

少女は目を見開いて吃驚した
まさか、バレているとは思っていなかったから
勿論、気配も消していた

あなた
…いつから気付いてたの?
奏風 虹音
奏風 虹音
ん~…最初から?


少し考える素振りを見せながら、
使用人は「あはは」と軽く笑ってそう言った

まさか最初から気付いていたとは…
少女は吃驚し、少し反省した

あなた
……ねぇ
あなた
本当にいいの…?


少女は目に涙を溜めながら、震える声でそう言った
何故なら、これからは少女の代わりに使用人が暴力を振るわれるという事になるのだ

その少女の様子に、使用人は少し切なそうな笑みを浮かべながら

奏風 虹音
奏風 虹音
大丈夫だからあなたはそんな顔をしないでくれ。あなたが無事ならそれでいい。


ニコリと笑ってそう言った
その笑みを見ていると、
心做しか少女は更に息苦しくなった

あなた
ッッ…でも!!!


声を荒げて少女は反論した
思っていた以上に大きな声が出た
「こんな声が出るのか」と少女でさえも驚いた

だが、それは使用人の声で遮られた

奏風 虹音
奏風 虹音
あなた。


今までで聞いた事のない、
低くて冷徹な声で使用人は少女の名前を呼んだ

少女は思わず足が震えて、指一本も動かなかった
驚きと恐怖が入り交じった感覚だ

少女は何も言えなかった
ただ代わりに静かに話を聞いた

奏風 虹音
奏風 虹音
私は使用人だ。あなた、キミを守る義務があるのだよ。


少女の小さな肩にポンッと優しく両手を置いて、
先程の声とは正反対の優しい笑みを作って言った

その言葉と笑みを見て、更に心が苦しくなった

使用人を傷付けたくない
少女の心はただその一心だった
思うように思考も動かない

あなた
……そんな義務、守らなくていいよ。
虹音は虹音の命を優先してよ…


使用人にどんな言葉を言われても、
使用人への不安と心配が消える事は無かった

只々、使用人が少女の姉にいい様に使われているのが、悔しくて悔しくて堪らなかった。

その瞬間、使用人が少女を優しく抱きしめた

あなた
れい…ん…?


突然の事に私は困惑した

抱きしめられた時、少女は何故だか安心した
体温の暖かさで、
使用人が生きている事を実感出来たから____

奏風 虹音
奏風 虹音
あなた…さっきは義務なんて言ったけれど、これは義務なんかじゃないよ。


使用人は静かに少女の耳元で先程の言葉を訂正した

奏風 虹音
奏風 虹音
人を守り救済する事に義務なんて要らない。只ずっと己の心を信じるのみ。


使用人の言っている事は、全て『正義』で、
言っている事は正しく、『冷静』だった

奏風 虹音
奏風 虹音
あなた、私は自分の命よりもキミが大切だ。


「自分の命を大切にして欲しい」
と言いたいところだが、
少女も自分の命より使用人の命の方がとてつもなく大切でかけがえの無いものだった為、
何も言い返す言葉が無かった。

奏風 虹音
奏風 虹音
だから私はその意思に従って決めた、それだけさ。


その決意に満ちた言葉に、
少女は言い返す言葉が出るワケも無かった

だから少女は只一言_____

あなた
死なないでね。


そう言った

この言葉が呪いになると分かっていながら____

奏風 虹音
奏風 虹音
…ふふ、わかっているよ。


使用人は微笑んでそう返した




ぱわふるCATふーど
次か、次の次で過去編は終了だよ!!



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