第42話

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2024/05/19 01:00 更新





親の帰ってこない、残りの一日は
使用人と外に出て遊んだり、家でゆっくりしたり、
たくさん新しい事をした

少女は、永遠にこの時間が続いて欲しい
時間が止まって欲しい、とまで思う程に楽しかった

だからか、時はあっという間で…
気が付いたら、もう明日になり親は帰ってきた

お母さん
虹音ちゃん。温泉旅行のチケット、ありがとうね。
奏風 虹音
奏風 虹音
いえ、お母様も疲れていると思うので、このような機会にゆっくり身体をお休め下さい。


少女の母親は優しく微笑んで、使用人に言った
少女にとっては、初めて見た母親の優しい顔だった
そして使用人も、お母さんにニコリと笑いながら小さくお辞儀をしていた

だけど、使用人も少女の母親もその笑顔が偽りだったのは見てて分かった
















ある日……

少女は夜中に目を覚まし、水を飲みに行こうとリビングへ向かった時だった

少女はピタリと立ち止まった

リビングから誰かの声が聞こえたのだ
一人ではない、二人くらい
何やら話し声だった

リビングには入らず、少女は扉を小さく開けて中を覗き、扉越しに聞き耳を立てた

奏風 虹音
奏風 虹音
いい加減、あなたへの暴言やら暴行は辞めて下さい。ハッキリ言って、見ていて見苦しいです。
あなた
!?


少女は吃驚した。
だって使用人が
他でもない少女の事を庇っていたから

そして、使用人の話していた相手は……

狐色 那莉愛
狐色 那莉愛
はぁ?アンタ、何様のつもりで言ってんの?


そう、少女の姉姉さんだった

思わず飛び出したくなったが、今の間だけ…せめて、少女の姉が居なくなるまで待とうと思った

狐色 那莉愛
狐色 那莉愛
立場を弁えたらどう?使用人(笑


嘲笑いながら使用人を見下す少女の姉
初めて、少女の中に怒りという感情が垣間見えた

「虹音を侮辱するな」
そんな感情が心の中でグルグル回り

少女は思わず顔を顰めた

奏風 虹音
奏風 虹音
暴言と暴行を辞めるだけじゃないですか。何故そこまでしてやり続ける必要が…
狐色 那莉愛
狐色 那莉愛
ッ…アンタには関係ないでしょう!?


声を荒らげて、少女の姉はそう言った

少女が部屋に入れる雰囲気は全く無くて、
怖くて足が竦んだ
空気を吸うのさえも苦しかった

狐色 那莉愛
狐色 那莉愛
私はアイツが憎くて憎くて仕方がなくてッッ……!
あ…それと日頃のストレス発散にも使えるの(笑
奏風 虹音
奏風 虹音
ッ!仮にもあの子は妹だろう!?


痺れを切らして顔を真っ赤にしながら、眼に涙を溜めて怒りながら、使用人はそう言う

使用人の怒っている姿は初めてみた
が、少女の姉に負けない程の強さがあった

狐色 那莉愛
狐色 那莉愛
はぁ?あんなのが妹?笑わせるわ…
妹なんて、思った事ないわよ(笑


その言葉を聞いて、
ずっしりと重い物が全身にのしかかったような
とてつもない嫌悪感と苦しみに陥った

今更、少女は姉に感情なんて持ってないのに、「妹」を否定された時は、何故か少し虚しかった___

狐色 那莉愛
狐色 那莉愛
これ以上、私に口出しをするならアンタにも毎日殴ってあげるから、覚悟しといて(笑
奏風 虹音
奏風 虹音
構いません。ですが一つだけ…
あの子はもう殴らないで下さい。お願いします…。


深く頭を下げて、使用人は丁寧にそう言った

あなた
ッ……


少女は一部始終を伺って、酷く吃驚していた

信じられなかった
少女は疑問だらけになった

「なんで私の為にそこまでするの?
 赤の他人に如何して慈悲を垂れるの?
 価値のない人間を、何故助けるの?」

たくさんの言葉が、少女の脳内を駆け巡った

狐色 那莉愛
狐色 那莉愛
ふ~ん…まぁいいや。
それじゃ、明日から宜しくね~(笑
奏風 虹音
奏風 虹音
………


そう言って、少女の姉は手をヒラヒラ振りながら
その場から直ぐに立ち去り、
使用人は無言の儘、その場で立っていた

あなた
ッ……
あなた
(私の…私の所為で虹音がッ……)


関係のない使用人が巻き込まれている事に、
少女は苦しくも部屋へ入れなかった






ぱわふるCATふーど
言い忘れてたけど、あなたちゃんの姉・狐色菜望ちゃんはかなりの重要人物になる予定だよ☆


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