第24話

暗い絵から
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2026/04/23 21:33 更新
それから俺たちは毎日美術室に残り一緒に絵を描くようになった
口数は多くないが、絵を描いている間は少しLANのことが分かったような気がした
らん
『その色いいね』
意外にも優しく笑う所
らん
『これはここに描く』
決めたらまっすぐと見つめる所
らん
『この色かな……』
絵の色を決める時、凄く切ない顔をする所
いるま
『いや、ここは大胆な明るい色がいい』
だから、俺は色を決める時はLANが暗くならないように声をかけた
切ない顔をする理由はわからなかったが、俺は思うがままLANの絵の上から明るい赤を重ねていった
らん
『…………』
LANは沈黙し、視線をキャンバスに落とした
さっきまだ笑っていた唇が緩やかなら閉ざされる
いるま
『(もしかして、さっきの色が気に障ったか)』
らん
『……俺ね、もう悲しい色の絵しか描けないんだ』
初めてだった
彼の方から自分のことを話そうとしてくれるのは
色を重ねながらLANの言葉にただ。耳をすませた
らん
『2年前、両親が交通事故に遭って死んだ』
いるま
『ピタッ……』
らん
『信号無視した車が俺に突っ込んできたんだけど両親はそれ我庇って2人とも死んだ』
言葉は出なかったら
ただ、彼の話を逃さないように静かにその声を受け止めるしかできなかった
らん
『俺の前で、俺を庇って死んだんだ』
らん
『なんども、自分のことを恨んで死んでしまいたくなった』
高2になる前のLANは知らない
それでも、今のLANはよりもっと明るい奴だったのかもしれない
らん
『それで、たどり着いたのが大好きだった絵だった。絵を描くことで俺の悲しみは緩和された。だけどもう明るい色なら使えなくなってしまった』
らん
『気づけば手が暗い色を選んで…暗い絵を作り出す』
らん
『そんな自分の絵は本当に大っ嫌い』
事故の事を慰めやることは出来ない
それは、本人にしかわからない悲しみがあるから
きっと、俺の辛い言葉で元気にならるわけじゃ無いから
いるま
『お前の絵は暗くないよ』
筆を持って沢山の明るい色を出していく
いるま
『あらゆる人を惹きつける綺麗な絵だ。さらに明るい色を加えれば……』
自由に筆を遊ばせて色をのせていく
彼が無意識に避けている派手な色を
いるま
『見ている人を楽しみ気持ちに導いていく絵になる』
暗い色の上から馴染むように筆をなぞると花が咲いたようだった
らん
『本当……一気に変わるね』
彼の目から滲んだ涙には気づかないフリをして
俺はもう一度オレンジを筆に取った
LANの絵を荒らすようにその色をそっと塗る
いるま
『やってみろよ。好きなように、明るい色を載せてみろ』
戸惑いの表情を浮かべていたLANは
何かをふっきたように
ゆっくりと黄色を筆に取った
それは、朝の光のような暖かい色だった
いるま
『ほら、楽しくなった』
見ているだけで楽しい
人を惹きつけて、楽しませる
らん
『絵を描くのが楽しい』
いるま
『(最高の絵)』
いるま
『(やっぱりLANの絵は最高だ)』

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