あれから三年の月日が経った。
太宰は最年少幹部へと昇格し、僕はその補佐として傍に立つことになった。
中也は……まだ昇格の知らせを聞かない。
小さめの会議室に入った僕は、部屋を見回しながら尋ねた。
中也は鼻で笑い、腕を組む。なんで俺が太宰の居場所を知ってると思ってんだ――と、呆れたように言葉を続けたが、僕は聞き流した。
ぼそぼそと愚痴を零し、膝に肘を置いてこめかみを押さえる。
中也は呆れ顔でこちらを見ていた。その目、太宰に向けろって話だ。
中也はその後も愚痴愚痴と口を開く。
正直いうとめんどくさい、あんたは僕の母親か
適当に返事をすると、中也が犬みたいに吠え始める。よく吠える犬だ、困った困った。
そこへ、扉の向こうから芥川の声が響いた。
「入っていいよ」と返事をすると、芥川が静かに入室する。後ろには三人の男がいた――取引相手らしい。
僕が礼を言うと、彼は小さく頭を下げた。
わずかに頬を染める芥川の周囲に、花が舞っているような気がしたのは……気のせいか。
中也の指示に従い、芥川は退出しようとする。
僕の言葉にこくりと頷き、静かに扉を閉めた。
さて、この三人……ん? 一人、見覚えのある顔が。
黒髪ロング――兄さん。まさか、こんなところで会うとは。闇の世界に? いや、FBIの潜入調査だろう。
中也が警戒を露わにする。
僕が促すと、三人は戸惑いつつもソファに腰を下ろした。そりゃ驚くさ、中学生くらいの少女がポートマフィアの幹部補佐をやってるんだから。
すると色黒金髪の男性が口を開く。
と黒髪ロングが偉そうな口調で口を開く。
相変わらず口が悪いな兄さんは、、、
中也が苛立ちを隠さず、殺気を滲ませる。部屋が一瞬で重苦しい空気に包まれた。
僕が鋭く言うと、中也は舌打ちをして殺気を収めた。
三人は中也の異能が掛かっていたのか
チラッと様子を見ると重圧から解放されていた。
微妙な空気の中、ノックの音が響く。
扉が開き、そこには縄でぐるぐる巻きにされた太宰と、その縄を掴んでいる織田作と安吾の姿があった。
僕は瞬時に立ち上がり、三人の頭上を飛び越えて織田作に抱きつく。
織田作は片腕で僕を抱き留め、もう片方の手で優しく頭を撫でる。
安吾は太宰を猫の首根っこを掴むように椅子へ座らせ、二人はすぐ別任務へと戻っていった。
幹部が戻ったところで、ようやく本題に入る。
太宰が口角を上げ、取引相手を見やる。
8/15 修正











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。