第9話

監禁 side瑚子
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2018/08/25 09:58
ー 7月11日 07:30 ー


私は真と話し順番通りに聡に票を入れた。
そして、朝ご飯でも食べに行こうとなって
8時半に真の家に行くことに。
私の家から真の家までは歩いて15分くらい。
少し余裕を持って8時10分に家を出た。
ミッションのメールは準備をしている間に
届いたためにまだ確認していない。
……それが間違いだったよ。
鹿島瑚子
おっ、咲玖。おはよー
私は普通に話しかけるが、咲玖がした挨拶は
少し変なような気がした。
武満咲玖
これからお出かけ?
鹿島瑚子
そーそー!真と近くに朝ご飯を
食べ行く約束してるんだ〜
武満咲玖
へぇ…
そう言うと、咲玖は突然私に近付くと、首を
絞め始めた。
鹿島瑚子
ちょっ…な、に…?
武満咲玖
大丈夫、少し気絶してもらう
だけだから。
そして、私の意識は遠のいていった…


















ここは何処…?
意識を取り戻した私は起き上がろうとするが
その場に転がってしまった。
鹿島瑚子
……。
手首と足首は結束バンドで動かず、口には
ガムテープが貼られていて喋れない。
モゾモゾと動いた時に落ちたスマホ。落ちた
衝撃で電源が付く。メールはスグに見れる
ように設定していた為、スマホには咲玖に
対するミッション内容が表示されている。
時間は朝の9時、真に悪いな…
監禁って…最悪じゃん……
てか、本人は何処に行った?監禁相手が脱走
する可能性があるからそんな遠くには…
すると、後ろからドアが開く音がしたと思う
と手が伸び目もガムテープで見えなくなった
武満咲玖
ごめん、俺が監禁したかったの
は1人だけど、瑚子と遊ぶよう
じゃ怪しまれるから瑚子も監禁
しないと。
え…?じゃあ、真は…
武満咲玖
1人じゃないから安心しなよ。
この一言で、真も監禁されたことが分かる。
さっきが9時、6時間以上だから最短で解放
されるのが3時になる…
暫く経つと…
藍川真
何処だここ…
見えない視界の中、真の声が聞こえた。
武満咲玖
お、やっと起きた。
藍川真
何で咲玖が……って、瑚子!
武満咲玖
俺のミッションは"異性を6時間
以上監禁すること"だから。
藍川真
はぁ!?だからって何で朝から
監禁?何で僕と瑚子?他の人
でも良かったじゃん。
武満咲玖
まぁ、真だけで良かったけど、
瑚子と会ってこれから朝飯を
食いに行くのにいなかったら、
怪しまれると思ってね。
…ちょっと待て。"真だけで良かった"…?
藍川真
……僕だけで良かったってどう
いう意味さ。
同じところに引っかかった真が咲玖に聞く。
武満咲玖
そのままの意味だ……
そう声が聞こえると背後の床に倒れ込む音が
聞こえた。
藍川真
ちょっ…離れろよ。
武満咲玖
嫌だ。
藍川真
意味不明。
武満咲玖
真はいつもそうだ。友哉のこと
ばっかり見てさ…俺がいつも真
のこと見てるのも気付いてない
よな?
藍川真
は…?
鹿島瑚子
……。
つまり、それって……
武満咲玖
俺は真のことが好きで堪らない
のに、いつも友哉を見ている真
を見て俺はどう思うと思う…?
藍川真
知るか。それにさ、僕の顔に
触らないで。
武満咲玖
このミッション、俺にとっては
凄い嬉しいミッションだった…
なぁ、今日くらいいいだろ?
藍川真
何も良くない。そもそもなにを
したいのかも分からない。あと
僕に触らないでって言ってるの
が聞こえないのか聞きたい。
武満咲玖
……それとも、お前は助かって
親友を差し出すか?
その言葉に真が黙った。
自分と私を天秤にかけている…?
藍川真
…それは駄目。それなら、僕が
犠牲になる。しかし、一つ条件
がある。絶対に口にキスをしな
いで。した瞬間、本気で殺す。
武満咲玖
…まぁ、それでいいよ。
威圧がある真の声は確実に怒っている。
真の条件に返事をした咲玖の声は興奮して
いてとても気持ち悪い。
















……………どれくらいが経っただろう。
咲玖の興奮する声をどのくらい聞いた?


アイツは何回「好き」って言いながら真を
触った?そして…


真はどのくらい我慢した?
視界が奪われたことで、時間感覚が無くなり
かけたとき、視界が明るくなり、口周りが
涼しくなった。
鹿島瑚子
っ…
部屋はオレンジ色。
夕方…
前を見ると、片手に剥がしたガムテープ
片手にハサミを持った真が私のことを見てる
真は這いずって私のところに来たのか、少し
先に切れたロープが落ちていた。
藍川真
瑚子…大丈夫…?もう終わった
からさ…晩ご飯、食べに行こ…
真は小さい声でそう言いながら、私の手足の
結束バンドをハサミで切る。
鹿島瑚子
私よりも…真、大丈夫なの?
藍川真
うん…身体中触られただけで
変なことはされて…ないから…
真に手を引かれ、私は立ち上がる。部屋には
アイツはいなくてドアが開いていた。
藍川真
……だから、食べれなかった分
のご飯。今から行こ!
そう言って、笑いかけてくれた真の笑顔に
私の心はかなり痛くなった…

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