ー 7月11日 07:30 ー
私は真と話し順番通りに聡に票を入れた。
そして、朝ご飯でも食べに行こうとなって
8時半に真の家に行くことに。
私の家から真の家までは歩いて15分くらい。
少し余裕を持って8時10分に家を出た。
ミッションのメールは準備をしている間に
届いたためにまだ確認していない。
……それが間違いだったよ。
私は普通に話しかけるが、咲玖がした挨拶は
少し変なような気がした。
そう言うと、咲玖は突然私に近付くと、首を
絞め始めた。
そして、私の意識は遠のいていった…
ここは何処…?
意識を取り戻した私は起き上がろうとするが
その場に転がってしまった。
手首と足首は結束バンドで動かず、口には
ガムテープが貼られていて喋れない。
モゾモゾと動いた時に落ちたスマホ。落ちた
衝撃で電源が付く。メールはスグに見れる
ように設定していた為、スマホには咲玖に
対するミッション内容が表示されている。
時間は朝の9時、真に悪いな…
監禁って…最悪じゃん……
てか、本人は何処に行った?監禁相手が脱走
する可能性があるからそんな遠くには…
すると、後ろからドアが開く音がしたと思う
と手が伸び目もガムテープで見えなくなった
え…?じゃあ、真は…
この一言で、真も監禁されたことが分かる。
さっきが9時、6時間以上だから最短で解放
されるのが3時になる…
暫く経つと…
見えない視界の中、真の声が聞こえた。
…ちょっと待て。"真だけで良かった"…?
同じところに引っかかった真が咲玖に聞く。
そう声が聞こえると背後の床に倒れ込む音が
聞こえた。
つまり、それって……
その言葉に真が黙った。
自分と私を天秤にかけている…?
威圧がある真の声は確実に怒っている。
真の条件に返事をした咲玖の声は興奮して
いてとても気持ち悪い。
……………どれくらいが経っただろう。
咲玖の興奮する声をどのくらい聞いた?
アイツは何回「好き」って言いながら真を
触った?そして…
真はどのくらい我慢した?
視界が奪われたことで、時間感覚が無くなり
かけたとき、視界が明るくなり、口周りが
涼しくなった。
部屋はオレンジ色。
夕方…
前を見ると、片手に剥がしたガムテープ
片手にハサミを持った真が私のことを見てる
真は這いずって私のところに来たのか、少し
先に切れたロープが落ちていた。
真は小さい声でそう言いながら、私の手足の
結束バンドをハサミで切る。
真に手を引かれ、私は立ち上がる。部屋には
アイツはいなくてドアが開いていた。
そう言って、笑いかけてくれた真の笑顔に
私の心はかなり痛くなった…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!