まだ朝の光がやわらかく差し込む時間。
リビングにはすでに数人の柱が集まり、パンの香りや味噌汁の湯気が漂っている。
そんな中、廊下から大きな欠伸をしながら現れる音柱様。
髪はタオルでまとめられているが、湿っている。
リビングは朝から笑い声や怒鳴り声でいっぱいになる。
「音柱様の風呂時間は何分が適正か」という、どうでもいいけどやけに熱のこもる議論が始まった。
議論の内容もだいたい固まってきたところで
話を変える。
寮の昼下がり。
外は柔らかな日差しが差し込み、縁側からは庭の木々が揺れる音が聞こえる。
水柱様は、いつものように静かに縁側に座ってお茶を飲んでいた。
私は廊下を通りかかり、その背中を見つける。
声をかけると、彼は振り返らずに一瞬だけこちらに視線を送った。
そのまま湯呑を持ち上げ、淡々と返事をする。
冨岡さんは眉をわずかに動かし、
ほんの小さく息をついた。
短い。
けれど、それ以上話す気がないわけではないらしい。
私は彼の隣に腰を下ろし、同じように庭を眺める。
そう言うと、彼はほんの一拍置いて、短く答えた。
あまりに真顔で言うので、思わず吹き出してしまった。
水柱様は困惑したようにこちらを見て、
それから何も言わずにまた庭へ視線を戻した。
けれど、その耳の先が、ほんのり赤くなっていた。
何を言ってるんだこの人·····。
と言わんばかりにぽかーん、としていると
水柱様は少し焦りながら話す。
もしかして·····名前で呼んで欲しい·····とか、?
いやいや、水柱様は不思議な方だから他の意味に決まってる·····はず、
でも·····
え、違う·····?
何一人で舞い上がってんのーー私ー!!!
あわあわ·····っとしていると水柱様が湯呑みを置き話す。
え、名前呼び、?!
これで良かったんだ、!
何を考えてるのかわからないけれど·····
内心はみんなと仲良くしたいのかな…。























編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。