第18話

談話
55
2022/04/03 06:07 更新
芥川龍之介
でも…彼は彼、僕は僕。結局僕は、逃げていただけなんだ。新しい作品を発表しても、世間に酷評されたらどうしようとか…絶望されたらどうしようとかね…
菊池寛
……
太宰治
……私は先生が不出来な作品だと思ったとしても、やっぱり、貴方の作品が大好きなんです…!だから…その…
芥川龍之介
…ありがとう。不思議だね…君と僕はどこか同じところがある気がするよ。だからかな…
太宰治
芥川龍之介
僕の気持ちを人に伝える事が出来たのは……寛、もう少しだけ待ってくれないかな?きっと、君が満足出来るような物を書き上げてみせるから
菊池寛
いつになってもいいさ!お前が書けるまで待ち続けてやる!だって、僕の大好きな作家の新作が読めるなら…!
芥川龍之介
…君は本当に悪い奴だよ。
芥川は頬を緩めて言った。
そして、執筆活動を再開すると言い残し会社をあとにした。部屋には、まだ菊池と太宰が残っていた。
太宰治
嬉しいですね…!先生!龍之介先生の新作が読める未来が出来ましたよ!
菊池寛
…そうだな
太宰治
菊池先生?…泣いていますか?
菊池寛
まさか…!泣く理由が無いだろう!?
太宰治
………そういえば、北川君?って誰ですか?私思い当たる人がいなくて…作家なんですよね?
菊池寛
あぁ、夏目さんの所に居る奴でな。この前、ここに来た奴だ。
太宰治
ふーん…って?え?て言うことは…現代人って事じゃないですか!?何でここにいるんですか?!
菊池寛
さぁな。いわゆる例外な者らしくてな、僕には分からん。そもそもこの世界の事もいまいち分かって無いからな
太宰治
確かに…この世界は一体何なんでしょうね?謎が多いと言うか…
菊池寛
上の奴らが思ってる事は、誰にも分からない…まぁ、余り探るもんでもないしな…ろくな事が無いからな…
太宰治
そうですね…で、話を戻しますけど、北川君にちょっと合いに行きます。ですので、菊池先生、夏目先生の住所教えて下さい!
菊池寛
駄目だ!お前に教えると絶対に嫌な事が起きるからな…どーせ、田中と一緒に押しかけるつもりだったんだろ?
太宰治
あっ、バレてましたか…
菊池寛
バレバレだ…兎に角、住所は教えない。お前ももう帰ってくれないか?仕事が山積みなんだ…
太宰治
じゃあ、今日はこの辺でお暇させて頂きます。

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