お風呂は既に溜められていて
直ぐに入れる状態だった。
いつ入れたのか分からないけど
入浴剤もしっかりと入れられていて
本当にどこまで気が使えるんだろう。
そんな所がお偉いさんに
評価されているんだろうな〜
って無駄なことも考えながらお風呂に入った。
『いい匂い〜』
つぶやきもお風呂の中で呟けば
いつもよりも響いてしまい
思った以上に自分の耳に入ってくる。
「あなた〜?」
すると、ドア越しに北斗の声が聞こえてきた。
『はーい!』
「バスタオルここに置いておくね?」
『ありがとう!』
「ごゆっくり〜」
『はーい!』
ドアからうっすらと見える北斗のシルエットでさえもカッコよくて
私はどんだけ北斗のことが好きなんだろうと思いながらも
もう10分だけいただくことにした。
ガチャ
上がってお風呂を出ると...
『キャッ///』
「ッ!ごめん!」
いいのか悪いのか、北斗が何かを取りに来ていたところで
裸のままあわせてしまった。
「あ、っと〜はい!これ!」
『ありがとう///』
北斗は目を隠しながらも
私にバスタオルを渡してくれて
透かさず体にタオルを巻いた。
『、も、もう大丈夫だよ?』
「そう?」
『うん///』
その言葉に北斗は手を下ろして私の方を見る。
お互い赤面してしまって
そんな光景が面白くて少し笑いあった。
「髪乾かしてあげるからこっちおいで?」
棚からドライヤーを出して
リビングに進んでいく。
私は急いで着替えて
北斗の待つリビングに急いだ。
「ここ!」
『お願いします!』
「熱かったら言ってね?」
『うん!』
その後、ドライヤーの音だけが私の耳には入ってきて
私の頭を北斗の男らしい手で包まれる感じが
より一層感じられる。
北斗が乾かしてくれている間に
疲れと、気持ちよさで私は眠っていたみたい...
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。