家の前まで着くとお姉ちゃんが待っていて私に思い切り飛びついてきた
お姉ちゃんに言われた通り家に戻ると机には美味しそうなご飯が並べられていた
それと同時に私のお腹がタイミングよく鳴る
倉田にまだお礼言ってなかった
まだいるかな
慌てて外に出て見下ろすとお姉ちゃんと喋っていた
声をかけようとしたその瞬間
2人は静かにキスを交わした
私はバレないようすぐさましゃがみ声を潜める
最悪なタイミング
見なきゃよかった
しょうがない2人は付き合ってるんだから
けれどいざこうして目にすると自然と涙が溢れ出した
私は胸が締め付けられるような痛みに襲われる
まただ
ずっとこの痛みの正体がわからずにいたけれど今やっとわかった気がする
私、倉田が好きなんだ
最初の印象は最悪だったけれど何だかんだ優しくしてくれた
私が勉強でわからないところも見捨てずに毎回理解するまで教えてくれたし
歩くスピードも普段はもっと早いだろうけれどきっと私に合わせてくれてた
一緒にいてワクワクしたのもドキドキしたのもこの心に嘘はつけない
けれど私は1番好きになっちゃいけない人を好きになってしまった
お姉ちゃんを裏切ってしまったのと一緒だ
最低だ私
この気持ちは絶対バレちゃいけない
声を押し殺しその場で静かに泣いた














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。