第2話

流さないでくれ* ੈ♪
211
2021/02/27 11:43
 次の日、
 俺は、5階建の洒落たオフィスビルに
 恐る恐る足を踏み入れた。

 メモに書いてあるのは3階
 エレベーターを降りてすぐ、女の人が立っていた。
 
白峯 奏汰
白峯 奏汰
あのー
片桐_D
片桐_D
……誰、部外者?
さっさと帰って
白峯 奏汰
白峯 奏汰
え、ちょ、
 元ヤンぽい女に降りたばかりの
 エレベーターに押し戻される。

 ドアが閉まると同時に
 昨日の女が奥から飛び出てきた。
須藤_M
須藤_M
あああ!!
片桐、その子だよ
 ドアの向こうが騒がしい。
片桐_D
片桐_D
は、え!?
だって、男!?
須藤_M
須藤_M
ちょっと、白峯!
何してんの早く出て
 押し込んだのはそっちだろ。
 
 俺が開くボタンを押そうとした時
 エレベーターが5階に向かって登って行った。
♬* ੈ✩‧₊˚
 俺は、気まずい思いをしながら、
 やれやれと3階に戻るなり、
 今度は更衣室に押し込まれた。
白峯 奏汰
白峯 奏汰
あの……
須藤_M
須藤_M
とりあえず、これ
 手渡されたのは、白い服と
 亜麻色のウィッグ、それにカラコンと
 ……ヌーブラ!?
片桐_D
片桐_D
時間ないから、
早く着替えて
白峯 奏汰
白峯 奏汰
え?!
 戸惑ってたら、
 結局、着せ替え人形のように扱われた。
 いやん。
片桐_D
片桐_D
男のクセに華奢だし、
ツルツルかよ……
羨ましすぎんだろ
須藤_M
須藤_M
いい?
バレたら、君はもちろん、
私たちもクビ。
 なにそれ?
片桐_D
片桐_D
ただのクビじゃない、
私たちにとっての死だ。
 それが嫌なら、
 ──バレるなよ


 はい?
 俺が、その言葉の意味を理解したのは
 このあとすぐのことだ。

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