第7話

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2020/02/23 13:05
「僕は……二郎のこと、嫌いなわけじゃないからな」

「…え?き、嫌いじゃ…え?」

「……あ、まあ、だからって好きってわけじゃ」

「さぶろぉぉぉ」

突然二郎に抱きしめられる。

「ちょ、やめろよ!」

「さぶろぉぉ、俺のこと嫌いじゃなかったのか。
 よかった。よかった……俺もう嬉しすぎて…。
 三郎、俺もお前のこと愚弟だと言いながらも好きだからな。」

「だから、お前はそういうところがバカなんだよ。
 小学生に戻って国語勉強しなおして来た方がいいんじゃないの?
 僕はっ、嫌いじゃないだけで、好きだとは一言も…」

「それでも嬉しいんだよ。
 今まで嫌われてると思ってきたから、嫌ってない、その言葉だけで俺はじゅーぶん」

なんだよ、なんなんだよ。

俺は十分とか偉そうに言いやがって…

…でも僕にずっと嫌われてると勘違いしてたのか。

「……これからは…少しは兄扱いしてやる」

「え!?いまなんつった!」

「…二郎のこと……兄って思ってやるって話」

「さ、さぶろぉ…」

側から見れば、血の繋がってる兄弟だ。

弟が兄に、兄として見てやると言い、それを聞いた兄が喜ぶのはおかしいだろう。


でも、

仲がとてもいいわけでもない、

お互いに嫌っているわけでもない、

時折つっかかって、喧嘩して、

なのに、なぜか気がつけば一緒にいる。

この関係が…、


僕は好きだ。

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