雲ひとつない快晴、心地よい風、鳥の鳴き声
朝に散歩するのも案外悪くない
公園に着いてからいつものベンチに向かう
昨日濡れていたベンチはすっかり乾いていた
ベンチに腰掛けてぼーっと空を眺める
時間が経つにつれて雲が少し出てきたり、かと思ったら消えていたり
太陽も少しずつ上に昇っていく様子を何も考えずに見ていた
人が近づいてきていることに全く気づかなかった
声をかけてきた人は昨日会ったばかりのユンギさんだった
待ってろ と昨日と同じ言葉を言って公園の前の自販機に向かうユンギさん
またコーヒー飲むのかな
戻ってきてるユンギさんの手には缶コーヒーが握られていた
ユンギさんの分だけだと思ったら、もう片方の手には僕の分なのかペットボトル飲料を持っていた
僕の前に立ち止まると、持っていたペットボトルをすっと差し出してきた
横、座るぞ と一言言って隣に座るユンギさん
何かを話すわけでもなくただ隣に座ってくれる
なぜかわからないけど、無言の時間が辛くない
この人と一緒にいることが、なんだか心地いい
フッと笑うユンギさんの横顔はとても可愛らしかった
肌も白くて、ツヤツヤで、何より横顔がすごくイケメン
いいなぁと思って見ていたらユンギさんと目が合った
耳を見るとたくさんのピアスがつけられていた
僕もピアス開けてみようかな
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。