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丸「 多分もう止まったかなあ、」
風「 俺食器片付けます、」
『 あ、じゃあ私テーブル拭いてきます 』
丸「 うちの従業員は働き者で助かるなぁ 」
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私がここで働き始めたのは3年前
田舎から一人で大阪に出てきたのは良いものの
住むところしか決まって無くて仕事探しに
明け暮れた日々。
『 また落ちた… 』
履歴書を出して面接をしては落ち、
もう何個受けたかなって自分でも
分からなくなっていた頃
『 なんかいい感じのカフェ… 』
お金がある訳じゃないのに、ふらっと
吸い込まれるように入ったのがそう。
マルちゃんカフェ。
それからなんだかんだあって、
丸「 お姉さんここで働かない ? 」
なんて、キャッチの人みたいなセリフをかけてきた
店長が面白くて二つ返事で承諾。
それから風雅くんも入って、今は3人で
このカフェにいるって訳。
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風「 どうしたん 、ぼーっとして 」
『 え、ううん、私もう3年も働いてるんやな
って思って 』
丸「 ええっ、もうそんななる!? 」
『 意外ともうそんな経ってるんですよ 』
丸「 そりゃ俺もおじさんになるわけやわ 、」
『 いやいやそんな… 』
丸「 ほんまに!?俺若く見える!? 」
風「 店長、社交辞令って知ってます? 」
丸「 社交辞令…? 」
分かりやすくしゅんとする店長。
そんな日常が意外と好きだったりする 笑
丸「 あなたちゃんも風雅ももう上がっていいよ
雨降ってるみたいやし、気をつけてな
お疲れ様ぁ〜 」
『 お疲れ様でしたぁ 』
風「 お疲れ様でした〜 」
店の外に出るとまだパラパラと雨が降っていた
私は店に常備してある自分の傘を差して、
風雅くんは自転車なのでカッパを着て
『 じゃあ風雅くん気をつけてね 』
風「 あなたちゃんも、」
と、店を出た。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。