フョードル・ドストエフスキー。
盗賊組織「死の家の鼠」頭目、殺人結社「天人五衰」の一員。
…そして、私も、天人五衰の一員。
潜入捜査官としてポートマフィアに潜入している。
これで、私が自分の情報を偽っている理由が分かったよね。
私が、裏切り者だから。
私の演技、上手かったでしょ?
ま、黒蜥蜴の中にいる猟犬の潜入捜査官にバレないようにするには注意したけど。
彼が頭悪くて助かった。本当に。
仕事。
私の仕事は、主に殺人。
理由は単純、異能が戦闘系だから。
…ん?
私に異能があるのかって?
うん、あるよ。とっても強力なやつ。
何かってのは、仕事の時に教えてあげる。
私は空虚な声で場所と日時を聞いた。
彼が話をそらしたので、仕方なくその話に付き合う。
彼は私の意見に相槌を打った。
どうせ、適当な嘘だろうけど。
沈黙。
どうやら図星のようだ。
彼は人を駒としてしか見ない。
侍従長も
手品師も
支配人も
私でさえ、彼のための道具でしかない。
正直、ドストエフスキーのことは信頼していない。
だが、私は彼の手を取ってしまった。
蜘蛛の巣にかかった蝶のように。
一度かかってしまったら離れられない。逃げられない。
私は無言で電話を切った。
そして、大きめの黒いコートと仮面を被って、目的の場所に向かった。
ー〇●倉庫ー
私は倉庫についたと共にドアを蹴破った。
ドガァン!!!
私は悠々と歩いて倉庫に侵入した。
…警備、緩すぎ。
見張り置くとかしたほうがいいと思うんだけどな…。
私は歩きながらぼんやりとそんなことを考えた。
奥の方から、男の声がたくさん聞こえた。
30人くらいか、ここにいるの。
何人かの足音がこっちに向かってくる。
私は突っ立ったままその場で待った。
やがて足跡が止まり、何人かの男が姿を現した。
私は一気に男の懐へと飛び込み、ナイフを奪った。
そして男の頸動脈を…
ザシュッ
勢いよく切り裂いた。
男の血が勢いよく吹き出し、私の仮面やコート、床にも飛び散る。
他の男たちが、慌てて私に銃を向けた。
だが、私には銃は効かない。
私は、ゆらりと立ち、異能を発動した。
その瞬間、飛び散った血が、赤いナイフへと変わり、男たちへと向かっていった。
そのまま、男たちの喉元を銃ごと切り裂いた。
バタバタと男たちが倒れる。
私の異能は、血で武器を作り、操ることができる。
だから、誰かが血を流せば流すほど、私の異能は強くなる。
その音を聞きつけたのか、たくさんの男たちが銃を構えて出てきた。
その中のリーダー格らしき男が命令を下し、銃が私に向けて発砲された。
だから私には、効かないんだってば。
私は異能で、盾を作り銃弾を弾いた。
私が作った武器は、銃弾をいくら受けても壊れないほど丈夫。
ある程度銃撃が収まったところで、盾を無数のナイフに変えて、男たちの方へ飛ばした。
ザシュッザシュッブシュッ
男たちは声を上げる暇もなく死んだ。
私は彼らの他に人の気配がないかどうか確かめ、いないことを確認して倉庫を後にした。
もう遅いし、報告は明日にしよう。
そして私は仕事着のまま監視カメラを避けて家に帰って、お風呂に入って、着替えて寝た。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。