第60話

episode
595
2019/07/05 11:33
🐹『あなたゴメンネ。』




 元気にジンを迎えるとジンがポツリと呟いた。




 「ジン?」





🐹『あなた、海行こっか。』






 


 
  今は11月で外は肌寒い。でも、ジンに繋がれた右手だけは温かかった。





  「ジン、手離さないでよ…」





  私が口に出した言葉は波の音に掻き消された。





🐹『あなた座ろ?』





  砂浜に肩を寄せ合って座る私達は周りからみればイチャつくカップル。でも私達は…





  夕日が沈んで私達の影が闇に溶け込んだ頃、






🐹『あなた。僕、サランが好きなんだ。』


  ジンが沈黙を破った。

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