重い足で学校へ向かった
学校に着くなり宮ツインズのファンはヒソヒソ話す
いつもの事なのに
限界が来ているあたしにはしんどかった
ガラッ
女子:……!あなた…!おはよう!
あなた:……おはよう
笑えているのかわからない顔で返す
不審に思われていたらどうしよう
そう思いながらあたしは自分の席へ向かった
女子:サボり?
女子:いいご身分やなぁ
女子:もう来なくてよかったんに
あたしが歩いているとそんな声が聞こえてきた
その声がどんどん頭の中に広がっていく
" あんたはいつも人を不幸にしかしない "
あなた:ッ
女子:え,あなた……!?
あたしは突然頭を抱えてしゃがみ込んだ
何が何だかわからなかった
心做しか上手く呼吸も出来ない
人の声も何も入ってこない
涙が溢れ出てくる
完全にパニック状態だった
『 あなた,落ち着き。』
突然正面から誰かに抱き締められた
女の子らしい甘い良い香り
あたしはゆっくりと顔を上げた
結月:あなた,おはよ
あなた:ッ………
あたしを抱き締めてくれたのは結月だった
結月は優しい笑みでそう言ってくれた
あたしは結月の腕の中で_____ゆっくりと目を閉じた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。