あれから1年の月日が経ち___
私は高校2年生になっていた
例年より強い梅雨が鬱陶しい6月
最近、青空をみていない
傘が手放せない毎日が続いていた
雨の日は憂鬱だ
たらいを突き放したあの日のことを思い出すから。
ひどいことを言った。
傷つくなんて、お門違いだってわかっている
でも、思い出すたびに胸の傷口がうずく
ジメジメとして、制服も少し重く感じる
朝から気分が下がるな
ため息をつきながら靴箱を開けて、上履きに履き替える
するとそこへ、更に私の気分を落とす元凶が現れた
長身の男が紫の髪をかき上げて、忌々しそうに私を見下ろす
そう、彼が今や私の天敵となった渡会雲雀
神様は残酷で、彼とは2年連続で同じクラスだ
私がどんなに突き放しても、たらいとは切っても切りきれない縁がある
心とは裏腹の悪態をつきながらも、また氏は上履きをできるだけゆっくり履いた
数秒でもいい、一緒にいたい
憎まれ口でも聞きたい
また、自分を嘲るように笑う
こんな気持ちになるなら、友達としてそばにいればよかったです……
でも、耐えられる?
この先、セラ夫とたらいの姿を誰よりも近くで見て、その幸せを願える?
そんなに私、人間できていない
私はこっそり、たらいの横顔を眺める
いつも、きれいに整っている髪の毛が、今日は湿気でぺったんこになっている
新鮮なたらいの姿に、小さく胸が弾んでしまう
視線に気づいたたらいたらいが私をうざったそうに睨んだ
ズキンと胸が痛む
たらいの冷たい視線や言葉に、いつか砕けたぐすの破片のように、私の心に刺さっていた
なけなしの虚勢てそれだけ返して、たらいに背を向ける
早くここから抜け出したい
さっきはもう少しそばにいたいと思ったのに、心が忙しい
教室へと歩きだすと、後ろから声がかかる












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。