第6話

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2025/03/25 01:44 更新
春にあなたに出会って、好きになって、失恋して……
あっという間に6月になった
私は痛む胸に気づかないふりをして、親友の恋を応援してた。
セラ夫がたらいとたくさん話せるように、昼休みは図書室に用事があるなんてウソをついて二人きりにしたり。
放課後もいつもならシフトが被ったときは一緒にバイト先に行っていたけど、セラ夫が傷つかないように独りで向かうようになったり。
それが功を奏して、セラ夫とたらいの仲は目に見えるように深まっていくのがわかった。
そのたびに軋んでいく心を見て見ぬふりしていた。そんなある日、ついにその時がきてしまった
渡会雲雀
やべ、俺……セラ夫のこと好きになったかもしれねぇ
バイトの開店準備中、私は洗っていたクラスを落としてしまった。シンクに飛び散るガラスの破片は、まるで砕けた私の心そのもののように思えた。
渡会雲雀
おい、アキラ大丈夫か!?
慌てたように駆け寄ってくるたらい
四季凪アキラ
平気ですから
近づかないでほしい


どんな顔をすればいいか、わからないからー。
でも、牽制虚しく、たらいは私の腕を組んでシンクから遠ざけた。
四季凪アキラ
どうして、優しくするんですか?
この想いは封じたはずだった
なのに、こんなふうに優しくされたら____
目の奥が熱くなり、私は焦った。泣いちゃだめ。バレてしまう、
ぎゅっと瞼を閉じて、今にも溢れ出しそうになる想いを抑え込む
渡会雲雀
どうしてって……友達だから、心配するのは当たり前だろ!
あぁ、友達__か…
四季凪アキラ
はは…
自嘲的な笑みがこぼれる
足りなかったんだ、その覚悟が。だから、こんな気持ちになるんだ。
セラ夫より先に、あなたを好きになったのは私なのに。こんなにあなたが好きなのに、あなたは私じゃなくてセラ夫を見つめている。
どうして、、どうして私じゃないんですか、
私は心のどこかで、高を括った。セラ夫の恋が必ず実るとは限らない。いつか、進展のない恋に見切りをつけて、別の誰かを好きになるかもしれない。そうしたら、私の気持ちを打ち上げることが許されるかもしれないって。
全部私に都合がいい想像。物理的な距離には叶わないのに。現実や心から目をそらして、必死に良い友人を演じてた
渡会雲雀
アキラ?どうした?
割れたグラスを片付けてくれたたらいが、立ち尽くしている私の顔を覗き込む
_____気遣わないでほしい、
後戻りできないほど膨れ上がった恋心が、胸の奥で泣き出してしまいそうになるから。私さえいなければ、二人はうまくいく。きっと、好きになってはいけない人だったんだ。
私が、邪魔者だった。
私だけが世界の外にいた。
離れるなら、今だ、
店長はレジで釣銭の両替のため銀行に行っている。忙しいお昼までは他のバイトが来ることもないし、店内には私とたらいの二人きり
四季凪アキラ
たらい、お願いがあります
私は彼の目を見ずに、淡々とした口調で切り出す。もう一度、今度はもっと頑丈に想いに蓋ををしよう。
___私の気持ちも知らないで、セラ夫に夢中になっているあなたのことなんて好きじゃない。
違う、、、大キライ。
そう言い聞かせて、私は2度、心を殺した。
四季凪アキラ
『応援しますよ』
初めて、親友についたウソ。
そしてこれが___
四季凪アキラ
私ずっとたらいのことが嫌いだったんです。
四季凪アキラ
だからもう、話しかけないでください
好きだった人に、永遠に突き通すウソ。
外でザーッと雨が降り出す。
地面を叩きつけるような激しい雨音だけが、わたしたちの間に流れていた。

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