あの時、周りは驚いたような顔をした。それはそうだろう。この私が一瞬だけ笑顔になり、佐々木くんも笑ったのだから。滅多に王国の部下と話すことがない私が話していたのだ。一瞬でそのことは広まっているだろう。
私はベッドに寝っ転がりながらカーテンの隙間からさす日差しをぼーっと眺める。
ドアのノック音が聞こえ、「はい。」答えた。ドアがゆっくりと開き、使用人が入ってきた。ドアを閉めてドアの前で「おはようございます。」とお辞儀をした。
起き上がり、挨拶を少し頑張って笑顔を作って言ってみた。
使用人は驚きのあまり「え!?あ、おはよう…ございます…」と言い、考え込むかのように黙ってしまった。
私はいつも通り…じゃないわね。少し緊張しつつ、いつもの鏡の前の席に着いた。使用人はこちらが席に着いたのに気づき急いで顔を洗う用意をする。
私はゆっくり目の前のおけを覗き、手を入れ顔を洗う。手が冷え、目が覚めるようだった。渡されたタオルで顔を拭くともう、とてもスッキリした。
使用人はまた驚き、返事も無しにせっせと開けた。本当は私が開けたいけど…その事がバレると…お父さんとメイド長に怒られるからね。
窓の外は快晴だった。
自分の口からこぼれた言葉を急いで拾い、使用人に問いかける。
使用人は「そうですね。今日は気温が高くなるそうです。」と少し震えた声を出しつつもしっかりと話してくれた。私はとても嬉しくなった。顔から嬉しさが弾け飛びそうだった。
使用人は私の髪をとかしながら答える。
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俺は練習場の休憩場に座り込んだ。佐藤が発明した水筒を開け口に冷たい水を流し込む。
宇和崎が後ろからタオルを渡してきた。
タオルで顔を拭く。
遠くから今崎が走りながらきた。
休憩場から離れ、お互いに構える
剣が相手を指し示し、相手と息が揃ったら振るう。
光の手には水筒があった。
光の顔が赤くなるのを見て、俺は少しニヤける。
佐々木が反応してきた。練習はもう終わり、佐々木が勝っていた。
佐々木の拳が振り落とされそうになった。
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私は王族専用の食堂で言われた言葉に驚いた。
父の一言に空気が凍った。静かになり食器の音しか響かない。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!