忘れていた。不覚だった。
彼女と出かけることばかり考えていた。
どこに出かけるかも、何をするのかも教えてくれない。
そりゃずっと考えてしまう。
カレンダーを見て気付いた。明日は彼女と出かける日。
そして今日は、第一回の中間テストがある。
うちの高校は年に2回しかテストがない。
中間テスト、期末テストがある。
一見羨ましく思えるだろう。
テストの回数が少ないんだから。
でも、考えてみてほしい。
テストの回数が少ないということは、その分一回で出てくる範囲も膨大だということを。
以前にも言った通り、今回は僕の苦手な単元ばかりでてくる。憂鬱な気持ちを抑え、教室に入ると、
彼女が「おはよう」と声をかけてくれた。
良かった、今日はおはようから1日が始まる。
僕はホッとする。でも態度にも表情にも出さない。
出したらクスクスと笑われるのが目に見えているから。
「おはよう」
僕がそう返すと、彼女は満面の笑みで
「今日テストだね!!!!!」と言ってきた。
何故こんなにも余裕そうなのか。
「なんでそんなに元気なの?」
「だって明日は君とお出」
「ちょ馬鹿馬鹿馬鹿!!!!!」
彼女は本当に馬鹿なのだろう。
テスト大丈夫なのだろうか
「一緒に頑張ろうね!」
彼女の何気ない一言。僕の視界が晴れた。
ここでようやく気付いた。
今までのテストで僕は、1人で戦っていた。
でも、今回は違う。彼女がいる。
彼女と一緒に戦える。そう思うと、気が楽になった
「言われなくても頑張るよ」
嬉しかった。でも僕はポーカーフェイスを貫く。
そこからは特に何もなく、テストが始まった。
国語、数学、英語、理科、社会の順で。
一番できたのは国語だろう。
出来なかったのは英語だ。
手応えがなかったわけではない。
でも自信がなかった。
テスト終わり、彼女が話しかけてくる
「テストどーだった!!!!」
「手応えはあったけど自信はないかな」
「そう言って毎回350点くらい取ってるの私知ってるんだからね!!!」
「なんで点数知ってるの?????」
あまり頭が良くないことをバラさないでほしい。
「私は400点いったかもなー!!
どっちが多く点取れてるか勝負ね!?」
来るもの拒まず。
「…わかった。」
そこで会話は終わった。
何もなかったので下校することにした
彼女は当たり前のようについてきた。
「明日のお出かけ楽しみだねーーー!」
「どこ行くの?」
「まだ教えてあげない!当日のお楽しみです」
やはり教えてくれない
「今教えてほしいんだけどね」
「詳しいことはメールに送っとくから!
集合時間とか諸々ね!お金は多めでお願い!」
どんどん決められていく。
僕にはよく分からないが、彼女の言葉を借りるなら
これは“デート”というらしい。
テストも終わって気が楽になったし、少しだけ楽しんでみようかな。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。