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第27話

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2025/11/24 15:24 更新


I.N side



ふにゃ、と柔らかい唇。

なんとなくスローモーションの様な時間だったと思う。

脳が状況を理解した時には、プツリと糸が切れた後だった。



(なまえ)
あなた
んっ、ぁ!


抱き抱えたヌナの頭を片手で押さえて、そのまま唇をはむようにキスをする。

ヌナの小さな手が、頼りなく僕の胸をキュッと押すけれど、切れた糸は簡単にはつながらない。

IN
ん、


にゅるりと唇の間に舌を滑り込ませると、ヌナの歯が閉じているのがわかった。

IN
…ごめんなさい、嫌でしたよね。


開かなかったその隙間は、
拒絶なんだと落胆して体を離す。

ぺたりと座り込んだヌナを横目に見ると、
目を見開いて頬を赤く染めていた。

IN
え…
ヌナ…?
(なまえ)
あなた
ッ、
あなたたち、誰にでもこんなことするの?


え?

IN
それってどういう…



ぐわっといろんな思考が頭を駆け巡らせると、
一つのシーンを思い出した。


ヌナの部屋から出ていく


スンミニヒョンの姿。


IN
…もしかして、スンミニヒョンと
何かあったんですか?


その言葉に反応するかのようにビクリと肩を震わせる。


IN
…あったんですね。


ぶんぶんと首を振るヌナ。

そっとヌナの頬を撫でると、
潤んだ瞳で僕を見つめた。

IN
ヒョン達が今までヌナに何をしたかは知りません。
僕は何も聞かされていないから。
IN
けど、僕の今の気持ちを伝えるとするのならば、僕はヌナを意識しているし、前々から好意を持って接していますよ。
(なまえ)
あなた
……イエナ?
IN
好きだから触れたいし、
好きだから嫉妬するんです。


僕を見つめるその瞳が
僕だけを映せばいいなんて


そんな汚い感情をむき出しにして伝えたら
きっとヌナは僕から離れるでしょうね?

IN
僕が揶揄っていたり、
嘘ついてるように見えますか?
(なまえ)
あなた
ぁ…、


はらりと落ちたバスローブ。

着崩れたせいで肩からずり落ちた。

露わになるヌナの綺麗な肌を見て、僕は…


IN
…ぬな、もう一度だけ、
キスしていいですか?


長いまつ毛が震えた。
唇はそっと開いて、肯定の合図を。


ヌナの体を引き寄せて優しく唇を塞ぐと、
熱い吐息と共に僕の舌を受け入れてくれた。


何秒か
何十秒か


部屋に響く水音
僕らの呼吸音
絡まる体

すごく短い時間だけど、
僕の心は熱く満たされた。

IN
ぬな、キスうますぎ。
(なまえ)
あなた
ん…、言わないで。
IN
ふは…、
名残惜しいけど、着替えないとヒョン達が迎えに来ちゃいますから。
(なまえ)
あなた
あ…そうだね。


ポンポンと頭を撫でると、ヌナは微笑んだ。



あー、
脳を占める悪い考えを振り払って、
スマホを見るとたくさんの通知。


現実に戻ってしっかりしなければ。


(なまえ)
あなた
イエナ、どう?


洗面所のドアが開いてヌナがひょっこりと顔を出す。


僕のグリーンのTシャツに、
ダボっとしたズボンは裾を折って履いている。

可愛らしいヌナの姿に胸がギュッとするのを感じつつ、抑えきれない愛しさから笑みが止まらない。

IN
すごく似合ってます。
(なまえ)
あなた
ほんと?


うん、ほんとだよ。


僕の服を着て、
僕の香りを纏って、
僕のことを考えて。


なんて伝えちゃったら、
引かれちゃうかな??


まあいいや、



ヌナ、
大好きですよ。





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