第22話

決断
2,585
2022/09/02 14:36
黒田官兵衛
黒田官兵衛
いつしか、掛け値無しに相手に何かを託すことを、恐れるようになってた


ぼぉっとした目をして喋る黒田。

だが今度は はっきりした口調だ。
黒田官兵衛
黒田官兵衛
だけどな、家康、
信じることはきっと、強さなんだよ。だから憧れる。お前の言う、馬鹿者たちに

まだおぼつかない足で立ち上がり、いつものように後ろで手を組んだ。

黒田官兵衛
黒田官兵衛
お前の器は、違ったようだ
徳川家康
徳川家康
所詮お前も、ただのゴミだったか…

覗き込むように見上げる黒田にそう吐き捨てる。



家康と明智が去り、ため息が出る。
と、体が後ろにふらついた。


しかし倒れず、何かにもたれる形になった。
井伊あなた
よぉ、どうした
黒田官兵衛
黒田官兵衛
っあなた…

ベンチに座らせ、待ってろと声を掛けた。救急箱を取りに校舎に進もうとした。

だが、手を引っ張られ動けなくなる。

井伊あなた
黒田…?
黒田官兵衛
黒田官兵衛

いつにもまして真剣な目をした黒田がそこにいた。



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豊臣秀吉
豊臣秀吉
いよいよ、作戦1時間前や

ネオPBB作戦決行当日。

腕を腰にやり、やる気満々といった秀吉がホワイトボードを見る。
本人は今回なにもしないが。
豊臣秀吉
豊臣秀吉
今日の勝ち役は井伊。
負け役は…ん?てか言い出しっぺの信長おらんやん!
そう気付くと、すぐさまカードフォンを取り出す。
豊臣秀吉
豊臣秀吉
あーもしもし?
音楽ホールの視察チームどうぞっ!信長そっちおる?

ドアから談笑しながら酒井と榊原が入ってきた。
旗印の提出を任せていた二人だ。
日下部みやび
日下部みやび
旗印提出できました?
酒井忠次
酒井忠次
あぁそれなら竹中に任せた
榊原康政
榊原康政
あいつがやっとくって言うからさ
日下部みやび
日下部みやび
えっ?
豊臣秀吉
豊臣秀吉
あ?どゆこと?
続いて秀吉が驚いたような声を出す。
日下部みやび
日下部みやび
どうかしたのですか?
豊臣秀吉
豊臣秀吉
中に入れんて

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酒井忠次
酒井忠次
おい井伊!!
榊原康政
榊原康政
開けろ!!
酒井達がドンドンと扉を叩く。

井伊が旗印を書き換えた上に、音楽ホールに立て籠ったのだ。

音楽ホールに居なかった場合、逃亡と見なし、敗北となってしまう。
井伊は勝ち役達を時間までホールへ入れないつもりだ。
日下部みやび
日下部みやび
このままでは、本当に負けてしまいます
本多忠勝
本多忠勝
全員どけー!!
ゆっくりと後ろに下がっていく本多。
本多忠勝
本多忠勝
井伊、てめえを信じて、俺は、酒井は榊原は…!
日下部みやび
日下部みやび
一体何を
酒井忠次
酒井忠次
タックルだ
日下部みやび
日下部みやび
アナログとな!?
本多忠勝
本多忠勝
ふんっ!ああああーーーっ!!!

アナログと言えどもその姿は猪突猛進。このまま行けば本当に開きそうな勢いだ。



本多忠勝
本多忠勝
うぉっ!!?
しかし扉を開いたのは、本多ではなく、井伊だった。

伊達政宗
伊達政宗
…井伊、自分が何をしてるかわかってんのか
井伊直政
井伊直政
皆、すまん!!
膝を床に着いて、周りに向かって頭を下げた。
井伊直政
井伊直政
俺は、裏切り者の一人だ

苦々しく口を開いた井伊を、荒々しく立ち上がらせる。

その目は黒田を殴ろうとした時と同じだ。
織田信長
織田信長
やめろ貴様!
日下部みやび
日下部みやび
信長くん…!
織田信長
織田信長
井伊の話を、聞いてやってくれ

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