第150話

第13章 第8話 [ 温故知新 ]
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2026/02/04 11:16 更新
- 優衣の家 -
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
…………
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
……デカくね?
家がふたつに繋がっているような外観と、ここだけでもキャンプが出来そうだと思わされるような庭。それを見た紘太は、思わず声を漏らしてしまった。
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
おじゃましまーす
困惑している紘太をよそに、優は紘太の手を引っ張りながら家に上がる。すると1人の男性に声を掛けられた。
_黄積@きせき_ _進夢@すすむ_
黄積きせき 進夢すすむ
___久しぶりだね。優ちゃん
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
久しぶりです。優衣のお父さん
声を掛けてきたのは優衣の父親だった。彼は優しそうに優ににっこりと笑いかける。そして優から離れ、紘太の目の前に立つと。
_黄積@きせき_ _進夢@すすむ_
黄積きせき 進夢すすむ
…君は…
_黄積@きせき_ _進夢@すすむ_
黄積きせき 進夢すすむ
___優衣のボーイフレンドではないよね?
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
有り得ないです
_黄積@きせき_ _進夢@すすむ_
黄積きせき 進夢すすむ
そう。それならいいんだ
目が一切笑っていない笑顔で、そう問いただしてきた。雰囲気がガラリと変わった優衣の父親に一瞬だけドキリとしてしまったが、すぐに質問を否定する。それを聞いた進夢は安心そうににっこりと笑顔を見せた。
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
あ!!ふたりともいらっしゃーーい!!!!
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
お邪魔しまーす
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
…でもどうして急に家に呼んだの?
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
ちょっときになることがあってねー!!
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
ぱぱのおへやにいっていーい??
_黄積@きせき_ _進夢@すすむ_
黄積きせき 進夢すすむ
僕の部屋?
呼ばれたから来たものの、2人は優衣に何故家に呼ばれたのかの説明をされていない。そして優衣も深く説明しようとせず、父親の部屋に行きたいという。
父親も少し不思議そうな顔を浮かべていたが、次の瞬間、笑顔で娘の提案に承諾した。
_黄積@きせき_ _進夢@すすむ_
黄積きせき 進夢すすむ
わかった。案内するよ
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
…で、気になることってなんなんだ?
家の中を進みながら、紘太は優衣の方を見ながらそう質問する。すると優衣は「 よくぞ聞いてくれました 」と言わんばかりの表情になって。
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
ゆうが言ってたことがきになったの!!
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
むかし、「 死は救済 」だーっていっていた人がひとつの国を全滅させちゃったってはなしがあったじゃーーん??
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
……そんなことあったっけか……
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
そんなことも覚えてないの?
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
うるせぇ
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
歴史は苦手なんだよ…
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
えー!?紫キャベツって歴史苦手なんだー!!!
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
紫キャベツって言うな
優衣は勉強に関する記憶力がいい。だから優の言っていた言葉に引っ掛かりを感じていたようだ。
そして、昔のことを深く知ることが出来たら何かわかるんじゃないか。そう考えて2人を家に呼んだとのこと。
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
その国を全滅させたって言う人の名前ってなんだったっけ…
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
それすら知らないのは流石に
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
引くな
_黄積@きせき_ _進夢@すすむ_
黄積きせき 進夢すすむ
“ マギサ・メシア ”のことかな
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
ああ…なんかいたようないなかったような…
_黄積@きせき_ _進夢@すすむ_
黄積きせき 進夢すすむ
彼女は未だに消息がよくわかっていないんだ
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
どういうことですか?
_黄積@きせき_ _進夢@すすむ_
黄積きせき 進夢すすむ
どの時代にも、彼女が死んだという過去は存在していない
_黄積@きせき_ _進夢@すすむ_
黄積きせき 進夢すすむ
だから現実的では無いかもしれないけど、まだ彼女は生きている可能性があるんだ
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
1000年いじょーも前のひとでしょーっ!?
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
おばあちゃんってどころのはなしじゃないよー!!
優衣の言う通りだ。はるか昔に生きていたのなら、今はもうこの現代にはいないはず。それなのに進夢はまだ生きていると思っている。普通、そんなことはありえない。だから3人は彼の言葉の意味が理解できなかった。
_黄積@きせき_ _進夢@すすむ_
黄積きせき 進夢すすむ
確かに優衣の言う通りだ
_黄積@きせき_ _進夢@すすむ_
黄積きせき 進夢すすむ
…でも、彼女の能力は生と死を司るもの
_黄積@きせき_ _進夢@すすむ_
黄積きせき 進夢すすむ
だからまだ彼女がこの世界にいる可能性は、無いわけじゃないんだよ
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
今の時代にあんな横暴な奴がいたらって考えただけでゾッとするよ…
_黄積@きせき_ _進夢@すすむ_
黄積きせき 進夢すすむ
ふふっ。確かにその通りだね
恐ろしいと言わんばかりの優の声を聞いた後、彼は扉の前で足を止める。
_黄積@きせき_ _進夢@すすむ_
黄積きせき 進夢すすむ
ここが僕の書斎だよ。好きに使っていいからね
そしてその言葉と同時に、扉を開く。
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
………
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
壁1面に本がびっしりあるんだな……
扉の先にあった光景は、壁と同じくらいの高さの本棚とそこに敷き詰められた沢山の本だった。
見たことない光景に、紘太と優は空いた口が塞がらない。
_黄積@きせき_ _進夢@すすむ_
黄積きせき 進夢すすむ
僕の能力は“ 歴史の可視化 ”。昔の歴史を視ればこんな感じに本にすることが出来る
_黄積@きせき_ _進夢@すすむ_
黄積きせき 進夢すすむ
だからこうやって沢山の本がここにあるんだよ
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
ぱぱはね、こーやってたくさんの歴史をしっていろんな人と昔のけんきゅーをするのが仕事なんだよー!!
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
だからこんなに本があんのか…
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
にしてもすごい量…
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
こっからそのメシアって人の過去に関する本を探すの?
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
せーかくにはその人が国を全滅させちゃったよー!ってときくらいの本かなあ
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
りょーかい。頑張って探すよ、紘太
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
頭痛くなりそう…
逃げられないことを悟った紘太は、面倒くさそうに置かれている本に触れていく。優も紘太と反対の方に置かれている本を手に取り、静かにページを捲り始めた。
_黄積@きせき_ _進夢@すすむ_
黄積きせき 進夢すすむ
それじゃあ僕はリビングに戻るから。何かあったら遠慮なく呼んでね
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
はーーい!!!!
そして父親はその様子を眺めてから、部屋から出ていく。その背中を見届けた優衣も近くに置かれている本を手に取った。
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
…意外とメシアって奴に関することが書かれている本が多いんだな
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
…これなんだろー?
ふと、目に止まったひとつの本。
優衣は興味本位でその本を手に取った。
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
( …これ…うみくんのびょーきに関する本? )
そして、好奇心に負けて本を開く。
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
…………あ、2人とも。すごくぽい本を見つけたんだけど……
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
……優衣?どうしたの?
数分後。優がひとつの本を手に取って2人の方に駆け寄ってきた。その時、少し恐ろしいような顔をしている優衣が目に映ったようで、心配そうな表情で彼女の顔を覗き込む。
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
……ううん!!なんでもない!!
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
どの本なのー???
優に声を掛けられた優衣はハッとしたような顔をして本を戻したあと、笑顔を浮かべて何事も無かったような雰囲気を出す。優はそれが不思議だったが、手にしている本について話し始めた。
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
メシアのやっていたことについて書かれてるんだけど…
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
ほらこれ。亡くなった人を生き返らせるっていう禁忌をしてるみたいで…
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
そういう感じのやつなら俺も見つけたぞ。ほら
紘太が手にしていた本も似たような内容のものだったのか、該当のページを開いて2人に見せる。
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
…生き返らされた人は洗脳されて知り合いを中心とした能力者を救いと称して殺してる…って…
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
……じゃあ……あの時私が見た雫って……もしかして……
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
…このパターンなんだろうな
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
これ、まだつづきがありそうだよ!!
少し手が震えてる優に優しく触れながら、優衣は次のページを捲る。
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
どれどれー??
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
生き返らされた人は稀に彼女から能力を与えられる場合もある……
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
……じゃあ雫はメシアに能力を与えられたってことか?
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
……多分……
表情が曇りきっている優。それもそのはずだろう。
突然、永遠の別れをしてしまったはずなのに、気が付けば声を掛けられて。雫に「 死は救済 」だと言われ、それを信じてしまった。自分の愚かさや不甲斐なさに打ちひしがれてしまっても無理はない。
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
めんどくせぇな…
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
どうしたら雫は天国に帰れるんだ?
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
この本には書いてないね……
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
ちょっとまってて!!
ばっと立ち上がり、優衣は近くの本棚に目を通していく。何千冊も置かれている本から目当ての本を探すのはかなり難しい。それでも優衣は一生懸命探し続けた。
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
……あ!!これかも!!
そして、ひとつの本を手に取って紘太達に見せる。
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
やっぱりこれだ!!
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
……天国に返すには、致命傷を与えないといけないらしいよ
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
……そこまでしないといけないんだ……
優衣の言葉を聞いた優は、更に曇った表情になってしまう。
致命傷を与える。それは言わば自分の手で雫を殺すようなものだ。そんなこと、出来るわけがない。
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
……ゆいなら、まよっちゃうけどやるよ
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
……優衣?
突然、優衣は真面目な顔でそう呟いた。
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
…優衣は身近な人が亡くなったことないからそんなことを言えるんだよ
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
ちがう!!!!
優の言葉に、思わず優衣は声を荒らげてしまった。そしてその後、彼女はゆっくりと深呼吸をして続きを話す。
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
……本当は生き返らされた人だって、こんなことしたくないはずだよ
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
だからゆいは、とめるためにそのひとを手にかける
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
優衣……
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
……それなりの覚悟は決めないといけないってわけか
優衣の言葉に少し揺れたけれど、やはりそう簡単に行動に移すことは出来ない。だから2人は力強く拳を作ることしか出来なかった。
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
……こーたの言う通りだね
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
ふたりがむりならゆいがやってみるけど……
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
……そこまでしなくていいよ
優衣の優しさを聞いた優はゆっくりと立ち上がり、そう呟いた。
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
…これは私が撒いちゃった種みたいなもの。その種を回収するのは、自分でやる
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
これ以上優衣に迷惑だってかけられないしね
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
ゆう…
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
……なら俺も手伝うよ
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
あいつには色々、世話になったしな
覚悟を決めた優を見た紘太も、ゆっくりと立ち上がってそう呟いた。それを聞いた優は、にっこりと優しく微笑んで。
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
友達の間違いは、友達である私達が正してあげないとね
そう言葉にした。
_黄積@きせき_ _優衣@ゆい_
黄積きせき 優衣ゆい
……がんばれ!!ふたりとも!!
_小手毬@こでまり_ _優@ゆう_
小手毬こでまり ゆう
ありがとう、優衣
_英戦@えいせん_ _紘太@こうた_
英戦えいせん 紘太こうた
ありがとな
その覚悟をこの目で見届けた優衣は2人の背中を押して、笑顔でエールを届ける。
それが届いた2人は、顔を見合せて微笑みあった後、部屋から出ていくのだった。

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