私を抱き締めたまま、そのまま離れないいふくん。
甘えたさんなのかな?
後ろから手が伸びてきたと思えば、
正体はないこだったらしい。
私を強引にいふくんから離して、
自分の方にへと引き寄せた。
グイッ
いふくんを後ろに、ないこは歩きだした。
なのに…私の無理ないペースにしてくれてる。
や…優男ッ!!(
そうやって笑うないこは、少しだけ淋しげに見えた。
そうして、お互いに何も話さないまま…
辿り着いたのは美女と野獣ゾーンだった。
こんなに人が居ない場所あるんだ…
そこは、ベンチが2つあり、申し訳程度の
灯が灯っている場所だった。
初めて来たや。
私がそう言うと、ないこはベンチに腰掛けて
何もない空を見つめて話し出した。
……なんで、私のことをそんなに知ってるのか不思議だ。
そこまで話してないのに、ないこは…
私の性格や態度を知った上で…話している。
…凄いな、本当。
ドカンッッ
ないこの言葉と被って、向こうから花火が見える。
…少しだけ安堵した。
このまま聞いてたら、私は……
立ち上がって、私の手をぎゅっと掴んで
真摯に見つめてくるないこ…。
や…ヤバい…!!
慌てて目を逸らしたが、ないこは
私の頬に触れてこう言った。
恥ずかしさと、それに答えることが
出来ない自分の無力さに押し潰されそうだ。
ないこの顔を見てたら、泣いてしまいそう。
パッとないこは、私の手を離して、
花火が上がる方面を見つめた。



















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!